長期優良住宅/長く暮らせる家

気持ちよく暮らしていくためには、日ごろの心構えから 自分でできる家のメンテナンス

日ごろのメンテナンスは、住まいを美しく保ち、耐久性の維持につながります。不具合は早めに発見すれば、費用も抑えられます。思い出のつまった愛着のある住まいで、いつまでも快適に暮らしたいものです。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド



◆普段から自分でできることはやってみよう

住まいは生活の基本。新築した人はもちろん、賃貸住宅でも、気持ちよく暮らしていくためには、日ごろ、自分でできる範囲の手入れはしておきたいものです。持ち家なら、いざ売却しようというとき、手入れの有無は価格に大きく関係します。賃貸住宅の場合でも部屋を引き払うときに、敷金の戻りに影響してくるはず。たとえば、フローリングの床に濡れた雑巾を置いたままにしておき、大きなシミをつくってしまったとき、単なる経年変化とは見てくれずに、補修代金を請求されないとも限りません。
では、一戸建てを中心に、簡単に自分でできる点検とメンテナンスについて、説明しておきましょう。

室内

床:フローリングの床は基本的に、水は厳禁です。水などがこぼれたときは、そのままにしておかずに、できるだけ早めに拭きとること。濡れた雑巾を放置しておくのも、水が木にしみ込む可能性があるので、避けたほうがよいでしょう。普段の手入れは、掃除機をかけてカラ拭きで十分。水拭きをする場合は、雑巾を固く絞って使います。1~2カ月に一度の割合で、ホームセンターなど市販されている床用ワックスを塗っておくとよいでしょう。

壁:普段はハタキをかける程度の掃除でよいのですが、クロスが部分的に汚れてしまったときは、固く絞った雑巾で水拭きを。それでも落ちないときは、住居用の洗剤を雑巾につけて擦ってください。拭き取った部分だけでなく、周囲も拭いて目立ないようにぼかしておくとよいでしょう。
また、クロスがはがれてきたときは、小さいはがれなら、市販の壁クロス用の接着剤で簡単につきます。はがれた部分にホコリやゴミなどがついていないか、確認してから作業しましょう。接着剤は、木工用のふたの先が細くなったもので代用してもかまいません。

ドア:室内ドアを開け閉めするたびにイヤな音がする場合は、潤滑油を蝶番の軸部分にスプレーしておきます。また、ドアのちょっとしたガタつきは、蝶番のネジがゆるんでいるケースがほとんどですから、ドライバーで蝶番をとめているネジをチェックして、ゆるんでいるものがあったら、締め直しておきましょう。


水まわり

水栓金具:最近の住宅では、キッチンや洗面化粧台にシングルレバーの混合栓がついているのが一般的です。このシングルレバーの混合栓で、水漏れが起こった場合は、自分で直そうとせず、メーカーか水道屋さんに頼みましょう。混合栓の中の部品(カートリッジ)を交換すれば直るケースがほとんとなので、修理事態はさほど時間はかからないと思いますが、水栓のメーカーによって、部品(カートリッジ)の形や、部品を取り出す方法が異なるようです。修理を依頼するときは、自分の家の水洗金具がどのメーカーのものか、どんな形のものかを事前に伝えておくと、作業がスムーズに行われると思います。

配水管:配水管は万が一、詰まるとやっかいなものなので、ゴミや油、髪の毛などをできるだけ流さないように普段から心がけましょう。また、定期的にパイプ洗浄剤を使って、配水管を詰まりのないきれいな状態に保つようにします。市販されているパイプ洗浄剤には、油かすやヘドロなどに効果のあるタイプと、毛髪も溶かす強力なタイプがあります。キッチンなど、毛髪を流すことのほとんどない場所と、浴室などで、タイプの違う洗浄剤を使い分けるのがおすすめです。
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