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建築家にインタビュー エコ特集(1) 前の家の部材をいかして新築する(2ページ目)

これからの住まいは地球環境に配慮するという視点も必要です。2回にわたって住宅とリサイクルについて考えてみます。1回目はどんなものをリサイクルできるのか、建築家・植木秀視さんにお話を伺いました。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド



Q. 旧宅のものを再利用することで、解体時の廃材を減らすことができましたか?
A. 一般的木造住宅の解体から排出される標準重量の半分に削減できました

東京のOさんのお宅の場合は、できるだけ旧宅の部材を使いたいという要望がありましたので、極力、旧宅のものをいかすことを前提に設計しました。庭の草木もなるべく残すことを考えました。その結果、一般的な木造住宅を解体したときに出る建設廃材の重量は、約半分になりました。

 
Oさんの家では、旧宅のヒノキの柱を再利用してウッドデッキをつくりました旧宅の基礎のコンクリートを細かく砕いて新居の基礎の下に敷き込みました

前ページに列挙した部位のほか、Oさんのお宅では、窓の鉄格子、庭石、カーポートのドア、照明器具などは、新居でもそのまま使っています。さらに、旧宅の柱を材料としてウッドデッキをつくったり、旧宅の床の間の地板は新居の玄関の上がり框になりました。ただ、このように材料をリサイクルするため、解体は機械を使わず、手壊しです。よって、160万円(解体当時の価格)ほどかかりました。すべてを機械によって解体した場合より、15万円ほど割高です。

植木秀視さん、ありがとうございました。
植木秀視設計事務所電話03-3590-2133

■無縁ではいられない地球環境とこれからの家づくり

建築家の植木さんのお話を伺って、住宅のリサイクルがいろいろな場面で実践されていることを実感することができました。

建設業界では、2002年5月に建設リサイクル法が施行されていますので、建築物を分別せずに一気に解体するいわゆるミンチ解体や混合廃棄は禁止されています。よって、今後、住宅部材のリサイクルは促進されていくでしょう。
そして、リサイクルだけでなく、省エネルギーも含めた地球にやさしい家を何らかの形で実践していくことは、これから家づくりをする人が必ず考えなければならないことです。広義で地球環境にやさしい家の第一条件は、やはり長持ちする住宅を建てることだと思います。築20年、30年で解体しなければならない家ではなく、50年、60年と安心して暮らせる家を建てたいものです。そして、耐久性があるだけでなく、住み心地が長く続く家であってほしいことはいうまでもありません。

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