長期優良住宅/長く暮らせる家

将来も快適に暮らすために知っておきたい リフォームで取れない壁と柱(2ページ目)

我慢することなく心地よい生活が続くのが長く暮らせる家。そのためにはリフォームも必要ですが、場合によって思いどおりのリフォームができないことも。そうならないために知っておきたいことを説明します。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド



◆「餅は餅屋に」がリフォーム成功のコツ

リフォームを成功させるには、施工はその工法が得意なところに頼むというのが原則です。

たとえば、木造軸組しかやったことのない工務店にツーバイフォーの家のリフォームを頼むより、実績の多い施工会社に頼むほうがよいということです。特に部屋の間仕切りに関係したり、増築するようなリフォームの場合は、
できるだけ実績と経験のある会社に頼むほうが安心というわけです。

また、工法の面でも、特に住宅メーカーの工法(いわゆるプレハブといわれるもの)は、各会社独自の方法だったり、オリジナルの部材を使っているケースがほとんどです。ですから、その家を建てた住宅メーカーに頼んだほうが、部材の強度などの詳しいデータをもっていることから考えても、正確な判断ができるでしょう。

柱や梁などで支える軸組と、壁面で支える枠組壁工法。どちらにしても、柱や壁は建物にとって重要なものなので、むやみには取れないものです。新築当初からいろいろな状況を想定して、なおかつ、それに対応したプランにしておくことが必要です。

でも、10年、20年先を想定して家を建てるのはなかなか難しいもの事実。そのためには、できるだけ大空間が取れる構造かどうかを把握しておくのがひとつの事前策ではないでしょうか。その参考になるのが、「ないとソンする? わが家の記録」で説明した家のカルテです。現在採用されている工法や構造では、リフォームをするにはどれが一番いいとは一概にいえません。しかし、新築時の会社選びの判断基準としては、どれが耐力壁なのか、どの柱が構造上大切な柱なのか、図面を見ながらしっかりと説明をしてくれる施工会社でなければなりません。

◆「快適な家」は我慢しないで暮らせる家

新築した当初は、どの家の間取りも家族の希望やライフスタイルが反映されたもので、設備機器も最新のものが採用されているはず。しかし、20年、30年と暮らしていくうちに、住宅は古くなり、住まい手も変化してきます。施主は年齢を重ね、そろそろ手すりが必要になってきていたり、小さかった子供たちは成長して独立しているかもしれません。そんなとき、手すりを付けたり、子供室を活用できるリフォームをすれば、そのときどきの暮らしに合った住まいにすることができます。つまり、不便だと感じていたり、こうなっていればいいのにという気持ちを我慢しないで暮らせる家になるわけです。

我慢しないでずっと暮らせる家を最初から建てること、それが本当の長く暮らせる家を手に入れることにつながることなのです。

▼関連記事 工法によって耐久性は違う
▼関連サイト 【リフォーム】

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軸組工法とは?:柱と梁、筋交いなどで支える工法で、木造軸組は古くからおこなわれてきた工法なので、在来工法とも呼ばれます。柱は垂直の構造材、梁は水平の構造材のこと。筋交いは、地震や風圧に対抗するために骨組みの中に斜めに入れる構造材のことをいいます。柱などの構造材が木材なら木造軸組、鉄骨なら鉄骨軸組というわけです。

構造ビルやマンションなどで見られるRC(鉄筋コンクリート)造は、鉄筋で補強したコンクリートの柱や梁などでなりたっています。

枠組壁工法とは?:床面、壁面、天井面の面(パネル)で支える工法で、柱や梁などはありません。面(パネル)を構成する材料の最小断面の寸法が2インチ×4インチであることから、ツーバイフォー(2×4)工法と呼ばれることもあります。ちなみにい、用いられる材料が2インチ×6インチの場合をツーバイシックス(2×6)工法、2インチ×8インチの場合をツーバイエイト(2×8)工法ともいいます。

マンションなど用いられている、PCコンクリートの壁式構造も、壁で支えるという点では同じです。
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