家全体がひとつの空間だから・・
大雑把に言えば、「廊下がない家」ということは、家全体がひとつの空間だということになります。そこで、問題になってくるのが冷暖房。リビングなど人がいる場所だけでなく、階段や玄関なども冷暖房がいき渡り、家の中の温度差が小さくなるのは、とても快適なことです。しかし、常に家全体を冷暖房しなければならないとなると、光熱費が心配になります。
開口部の断熱性が室内の温度に与える影響は意外に大きいものです |
つまり、「廊下のない家」は、断熱性・気密性が高く、冷暖房効率がよい家でなければ、デメリットの多い間取りとなってしまうのです。
住宅の断熱・気密性能を左右するポイントとしては、断熱材の性能や厚さ、施工方法などがあげられます。また、窓の仕様も大きく影響します。ガラスが複層ガラスになっていることや、サッシが樹脂とアルミの複合サッシになっているなど、断熱サッシと呼べるものになっていることなどがあげられるでしょう。
断熱性・気密性が高い建物は、一旦冷房(暖房)によって家の中が快適温度になれば、外気温の影響もそれほど受けずに、その温度を小さな負荷でキープすることができます。そのためには、床・壁・天井と開口部の断熱性・気密性を建築当初からしっかり考えることが必要です。
この写真のように、手前がリビング、写真右手が玄関、左手がダイニングと、空間がつながっていれば、実際の面積より広く暮らすことができそうです |
将来にわたって、何かとメリットの多い「廊下のない家」ですが、それだけの基本性能をもった住宅であることが必要なのです。