こんなところに今も大満足
Tさんが建てた家は4LDK。1階にキッチンとリビング・ダイニング、和室があり、2階には寝室と2つの居室があります。築11年目を迎えた今でも満足しているポイントは以下の通りだそうです。
・セミオープンのキッチン
・各部屋に確保した収納
・広くてくつろげる浴室
・リビングに隣接した1階の和室
セミオープンのキッチンからリビング・ダイニングを見たところ。洗いものをしながら、テレビが見られるのがうれしい誤算だとか |
セミオープンのキッチンは、お子さんの様子がわかるようにと選んだものですが、家事をしながらテレビも見られるという意外なメリットも。マンションで不満だった収納は、各部屋に押入れやクロゼットをつくりました。後から家具を置いて部屋が狭くなってしまうことを考えれば、これは大正解だったといいます。「それでも、書斎は納戸に近い状態になっていますけれど」とTさんは笑います。
また、考えていなかったけれど結果的に良い点になったものとしては、広いバスルームだそうです。もともと、一人で足を伸ばしてゆったりと入浴できるよう、広いバスルームに大きい浴槽を選んだのですが、今では、親子で入浴したり、くつろぎの場として貴重な空間となっているそうです。もう一つは、1階の和室。田舎のご両親が訪れた際や来客用としてつくったものだったのですが、お子さんの授乳期に大活躍。キッチンに近いところに、子供を寝かせておける空間があることは、大変便利だったそうです。
あぁ、失敗! こうすればよかったところ
・リビング・ダイニング
・駐車場
反面、失敗した点としては、リビング・ダイニングと駐車場があげられるそうです。いろいろなことを考え合わせた結果、リビング・ダイニングは約8畳になったのですが、やはり、テーブルを置くと狭く感じてしまうそうです。計画段階から、リビングダイニングはもう少し広めにとったらという住宅メーカーの提案もあったようですが、延床面積が増えると建築費がアップするのと、庭が狭くなってしまうとの理由から、8畳に。「リビングの一角に和室もあるので、何とかなるかなと思ったのですが、子供が成長していくことを考えると、やはり広げるべきだったと感じています」とは、Tさんの弁です。
また、駐車場は、土地がもったいないと建物に寄せてギリギリにつくったため、ゆとりのないものになってしまいました。現状ではよいのですが、大きな車に買い替えるのはちょっと、難しいとのこと。「ワンボックスカーに買い替えたいと思うことがあるのですが、駐車するときのことを考えると・・・」。駐車場を拡大するとなると、かなりの大工事になり、費用も相当かかるので、今のところ、断念しているというのが、Tさんのホンネのようです。
そのとき所有している車の大きさに合わせてつくった駐車場。今より大型車にするのは難しそう・・ |
リビングの失敗は、実は潤沢でない資金からきたものでした。予算の都合から、リビング・ダイニングを広げることをしなかったわけです。実は、築10年のときに、リフォームを検討したそうですが、あらかじめリビングを増築することを考えていなかったので、構造の関係で、増築した部分との間に、壁が一部残ってしまうことがわかりました。「せめて、最初から増築することを前提としたプランにしておけばよかった」とTさんはいいます。
駐車場については、車のサイズまで考えが及ばなかったことが原因。将来のことを予想するのはなかなか難しいものです。
家づくりは続くよどこまでも
とはいえ、家づくり自体は楽しかったし、これからも楽しんでいくとTさんはおっしゃっています。築10年を機に、外壁を薄いイエローに、屋根を深い緑に塗り替えました。この塗り替えで家は明るい印象に変わり、お子さんもお気に入りだとか。ますます、家に愛着がもてたそうです。
また、広くとった庭にはトマトやナス、きゅうりなどを植え、家庭菜園として活用。さらに、新築時に植えたサクランボの佐藤錦について、「毎年、収穫を楽しみにしているんですよ。鳥に食べられないようにするのがけっこう大変なんです。でも、収穫したサクランボを家族で頬張ったとき、家を建ててよかったなぁと思います」という、Tさんのことばには実感がこもっていました。これからも、お子さんの成長とともに佐藤錦も大きくなって、Tさんのご家族にかけがえのない思い出を残すことでしょう。
そう、理想の家づくりというものは、一生続くものなのかもしれません。