結納/結納の基礎知識

略式結納のやり方って?流れ・服装・費用……プロが解説

「略式結納」を行う方が増えています。両家が一堂に女性宅、仲人宅、あるいはホテルなどにあつまり、結納品を取り交わす形式です。「会場はどこにする?」「費用はどちらが負担するもの?」など、略式結納のやり方や流れ、服装、費用を解説します。

森川 さゆり

執筆者:森川 さゆり

結婚ガイド

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「略式結納」とは?

略式結納のやり方、流れ、服装とは

略式結納のやり方、流れ、服装とは

結納は本来、仲人が両家を行き来し、結納品を取り交わして両家の結婚の約束をするという儀式です。しかし、最近では、両家が一堂に女性宅、仲人宅、あるいはホテルなどにあつまり、結納品を取り交わす略式結納が増えています。
(*両家顔合わせだけを行う場合はこちら)
 
 

結納のために決めること

結納

結納

□日時、場所を決める
□仲人を立てるか
□結納品の数をどうするか
□家族書の受け渡しをするか
□結納金、結納返しについて決める
□両家の服装のすり合わせ
□当日の進行の確認
 

結納のお日柄にこだわる?

結納をするという家であれば当然お日柄にもこだわりがあるはず。ふたりにこだわりはなくても親が気にする場合が多いので、六輝の意味をよく知って、休日の大安や友引きを選べば問題ないでしょう。
 

仲人を立てる?

結納に限らないが、結婚式に仲人を立てる人は1.1%にまで減少しています。理由は「特に必要を感じなかった」86.0%。仲人が仲介するお見合い結婚が減ったため、必要性がなくなってきたというのが現実のようです。
 

会場はどこにする?

実施場所ではホテル、または結婚式場という人が27.4%、レストラン・料亭が26.1%、女性宅41.2%となっています。ただし、首都圏でみると女性宅は28.1%と減少傾向にあるようです。また、結納は女性宅で実施しても、その後の会食は料亭やホテルでという人が多くなっています。なお、仲人宅での結納は現実にはほとんど行われていない状況です。結納の場所は以下の場合が一般的です。

・ホテル・式場
最近では、ホテルや式場の一室を借りての結納が多く、結納パックを用意している所も増えています。結婚式を予約しているところだろ融通が利きますし、親に結婚式会場を見せる良い機会にもなります。

・料亭・レストラン
個室があるレストランや料亭を選びましょう。結納は女性宅で、その後、移動して食事だけ…という場合にも自宅に近い料亭やレストランは便利。

・女性宅
エリアによっては女性宅が主流のところも多いようです。ただ、結納の簡略化とともに、外で結納という傾向は強くなってきています。
 

服装のルールはある?

結納の服装は一般に「準礼装以上で」と言われますが、一番大事なのは両家で格を揃えることです。特に着物には格があり、これがバラバラだと気まずいもの。事前に話し合って揃えたほうがいいでしょう

結納の服装は一般に「準礼装以上で」と言われますが、一番大事なのは両家で格を揃えることです。特に着物には格があり、これがバラバラだと気まずいもの。事前に話し合って揃えたほうがいいでしょう

・男性本人 
黒かダークカラーのスーツ。ワイシャツは白、ネクタイもできるだけフォーマルなもの。

・女性本人 
振袖かスーツ、ワンピース。振袖をもっているなら着る最後のチャンスになるので特に母親が喜ぶようです。

・父親 
黒いスーツに白いネクタイか、ダークスーツ。

・母親
訪問着、留袖、スーツなど。特に着物は格がはっきりしているので揃えましょう。
 

費用はどちらが負担する?

結納のおもてなし費用は女性側で負担するとされていましたが、今は略式結納が増えたので、両家の場所(交通費・宿泊代)や結納金のことなど、それぞれの負担を考え、相談しておくのがよいでしょう。結納後の食事は両家で折半とするケースも多いようです。
 

 

当日の進行・結納の口上

仲人を立てない場合は男性側の父親が進行役となります。ここに挙げた進行と口上はあくまで一般的な一例です。式場や料亭などでおこなう場合は、担当者がうまく誘導してくれるので、それに合わせて行ってください。

流れは以下の通りです。
 

結納当日の進行1. 結納品を飾り、着席

結納品は床の間もしくはテーブルの上に並べる。まずは男性側が入室して飾り、続いて女性側が入室して飾り、着席。床の間に向かって左側が女性家族、右側が男性家族が一般的。
 

結納当日の進行2. 男性側の父親が挨拶

「この度は、○○様(女性名前)と、私共の○○(男性名前)に大変結構なご縁をちょうだいいたしまして、誠にありがとうございます。つきましては、本日はお日柄もよろしいので、結納の儀、執り行わせていただきます。仲人様をお通しするのが正式ではございますが、本日は略式にて進めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。」
 

結納当日の進行3. 男性側の結納品を女性側へ納める

男性側母が結納品のところへ行き、結納品と家族書を持って、女性の前に置き、軽く一礼し席に戻る。

男性側父「これは○○(男性名前)からの結納でございます。幾久しくお納めください。」
 

結納当日の進行4. 女性側が目録に目を通し、受書を渡す

女性が目録を取り出して確認し、父、母の順番で回覧、戻ってきたら元通りに戻します。女性本人「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします。」
女性側母親が、結納品を飾り台に運び、代わりに受書を持って男性の前に置き、軽く一礼し席に戻る。男性側は受書を確認。
 

結納当日の進行5. 女性側の結納品を男性側へ納める

女性側母が結納品のところへ行き、結納品と家族書を持って、男性の前に置き、軽く一礼し席に戻る。

女性側父「これは○○(女性名前)からの結納でございます。幾久しくお納めください。」
 

結納当日の進行6. 男性側が目録に目を通し、受書を渡す

男性が目録を取り出して確認し、父、母の順番で回覧、戻ってきたら元通りに戻します。男性本人「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします。」
男性側母親が、結納品を飾り台に運び、代わりに受書を持って女性の前に置き、軽く一礼し席に戻る。女性側は受書を確認。
 

結納当日の進行7. 婚約記念品の贈呈またはお披露目

ここで指輪など婚約記念品を交換、あるいは、事前に交換している場合はお披露目すると両親も喜ぶはず。ここで、ひと言、男性本人からお礼の挨拶を。
「本日はこのような席を設けていただき、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。」
 

結納当日の進行8. 結びの挨拶

男性父親「本日は誠にありがとうございました。略式ながら無事結納を納めることができました。今後ともよろしくお願いいたします。」
これに対し、出席者「よろしくお願いいたします」
 

結納当日の進行9. 記念撮影後、食事会へ


以上の流れを参考にしてください。

結納までに準備するものを紹介します。これらを参考にすると良いですよ。
 

結納までに準備するもの1. 結納品

結納品の金額は平均で19.3万円となっています。主な結納品の意味は以下の通り。

結納品の金額は平均で19.3万円となっています。主な結納品の意味は以下の通り。

結納の際に贈る結納金、縁起物、目録のセットです。関東では9品目が一般的で、一つの白木台の上に並べます。男性側も女性側も用意します。関西では男性側が女性に贈るという考え方。5品目、7品目、9品目と様々で、それぞれを一つずつの結納台の上に載せます。

・御帯料(おんおびりょう):結納金のこと。関西では「小袖料」。
・寿留女(するめ):噛めば噛むほど…のように、末長く縁が続きますように、の意味
・勝男節(かつおぶし):男性の力強さの象徴。
・熨斗(のし):あわびを干し、長く伸ばしたもので長寿の象徴。
・子生婦(こんぶ):子孫繁栄の象徴。
・末広(すえいろ):無地の白扇。末広がりの意味。
・友白髪(ともしらが):共に白髪になるまで仲睦まじくの意味。
・家内喜多留(やなぎだる):酒肴料の意味。
・目録:結納品の品目や数を記入したもの。

結納品は、デパートやインターネットで購入できます。
結納屋さん.com
結納館
 

結納までに準備するもの2. 結納金・結納返し

結納金は100万円、50万円というキリの良い数字で贈るのが一般的。関東は半返し、関西では1割を返すことが多いようです。最近は、結納返しを品物で贈る人も増え、51.1%となっています。品物は腕時計が40.6%、洋服類が31.8%となっています。
 

結納までに準備するもの3. 婚約指輪

女性への婚約記念品はダイヤモンドの指輪が圧倒的です。
 

結納までに準備するもの4. 受書

受書は結納品を確かに受け取りましたという印。結納品を購入する際にお店の人に相談し一緒に準備しておきましょう。
 

結納までに準備するもの5. 家族書・親族書

家族書には同居している家族の名前、親族書には3親等以内の親族の名前を書きます。こちらも結納品購入時に一緒に準備してしまいましょう。

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