狭小住宅/狭小住宅のすすめ

あったら欲しい!「MINI」な家(2ページ目)

現在発売されている車の「MINI」は、かなり人気だとか。実は私が家に求めるものが「MINI」にはあるのです。ガイドが好きな「MINI」な家について説明しましょう。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

ここまで読んでくださった方は、おわかりだと思いますが、私が欲しい「MINI」な家とは、自動車の「MINI」が持っている三つのポイントを兼ね備えた住宅のことなのです。つまり「クラスレス」で「確かな技術力を持ったメーカー製」で「ローコスト」ということになります。それでは、これらのポイントを住宅に置き換えて、ガイドの考える理想の家を説明していきましょう。

小さくても上品

小さいけれども、上品なデザインや質感をもった家。これがクラスを感じさせない家だと思います。

「豊かさを感じさせる家」といった場合、現在では「広い、大きい」もしくはそう見せることが、まだまだ主流です。「狭い、小さい」を感じさせない、または「狭い、小さい」を活かして、豊かさが感じられるようにした外装素材やデザイン・プランはそう多くはありません。

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機能的で美しい四角い家は、都市によく似合うと思います
建売住宅を考えるとよくわかると思います。素材的にはそこそこ良いものを使用しているにも関わらず、豊かさを感じさせるものはほとんどありません。それは、小さい土地に目一杯、建物を建てているからではなく、デザインやプランに問題があるからでしょう。

では、どんなデザインがいいかというと、家の外観美は縦横ラインで決まる「BMW的デザイン」の家って?で説明した、機能的な「四角い家」に尽きると思います。

地震を考えるなら工業化住宅

確かな技術をもった、ある程度の規模のメーカーが建てた住宅であること。これが二つ目のポイントです。

最近の工業化住宅は、設計段階で耐震性を確保しているだけでなく、大型の施設で実物大耐震実験を行い、その実力を証明しているものが多くなってきました。その耐震実験は、阪神・淡路大震災の約2倍もの力を加えて行うこともあるようです。また、工業化住宅ならば施工精度の高さも信頼でき、その点でも安心は大きくなるでしょう。

阪神・淡路大震災や中越地震でも倒壊しなかったという、過去の実績も大事ですが、今後、それ以上の規模の地震が発生するかもしれません。その点でも、ある程度の規模をもって継続的に研究開発を続けている実績のある住宅メーカーの家は安心できると思うのです。

家全体にかけられるのは2000万円程度?

さて、価格としてはどの程度が目安となるのでしょう。

家を建てるには、建物本体工事や別途工事だけでなく、さまざまな費用が必要です。せっかく家を建てるのならと植栽をしたり、庭をつくるなど建物以外の費用もかかってくるでしょう。地盤も心配ですから、地盤調査や、場合によっては地盤補強工事も必要になります。そもそも、土地を持っていない人は土地を購入しなければなりませんが、これがかなり大きな出費です。さらに、登記やローン契約の手数料や税金などもかかります。そして、多くの人は家づくりの費用を工面するためにローンを組み、返済していくわけですから、負担は小さいほうがいいことはいうまでもありません。

そういったことを考えると、家全体にかけられる費用は、延床面積100m2の場合で2000万円程度が“ありがたい”と考えるわけです。

とにかく安いという家や、備えている性能は十年前の水準という家は、選びたくないですよね。耐震性が高く、耐久性があって、もちろんスケルトン・インフィルで経済的、その上、小さくても上品なデザインの家。こんな家を、信頼できる住宅メーカーが2000万円程度で販売してくれるなら、買いたい人は多いでしょう。もちろん、私も。住宅メーカーさんお願いします! あっ、その前に土地の手当ですね……。

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