住宅設計・間取り/収納プラン

"適材適所"な収納でずっとすっきり空間!(2ページ目)

新築時に考えたつもりでも長く暮らしているうちに、何となく片付かない家になってしまうことがあります。適材適所とはよくいわれることですが、どんなところに注意すればいいのか、今回は収納を取り上げます。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

しまうものによって収納の形を変える

収納とひと口に言っても、棚や引き出し、ハンガーパイプのように吊るす収納など、いろいろな形の収納があります。

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棚板はしまうものに合わせて可動できるようになっていると便利です
例えば、本や雑誌などは棚が便利です。筆記具など細々したものなら引き出しが使いやすく、衣類なら、引き出しとハンガーパイプの併用がいいと考えられます。このように、その部屋では何をしまうか、どんなものが多いのか、といったことから、最も使いやすい収納の形を導き出すことが大切です。

そのうえで、ものの量に合わせて、必要な量の収納を確保します。小さめの収納スペースに合わせて、ものを処分してでも合わせるというのは、意外に難しいもの。たくさんとればいいというものではありませんが、余裕をもって計画するのが望ましいでしょう。

適切な収納計画は人それぞれ

収納計画には、この形がベストという定型はありません。わが家に合った収納をつくらなければダメです。というのは、しまうものの種類や量によってどのような形態の収納が使いやすいかが違ってくるからです。人の真似をしても、収納するものや量が違うと、部屋をきれいな状態にキープしておくのは難しいでしょう。

また、自分が片付け上手かどうかも、重要なポイントです。使ったらもとに戻すのが部屋をきれいに保つ基本ですが、片付けベタの人に多いのは、どこにしまうべきか迷ってしまうことや、時間がないから後で片付けようとすることではないでしょうか。私もこのタイプですが、こういった人には、「とりあえずボックス」とか、「仮置きの棚」みたいなスペースを確保しておくのもよい方法です。もちろん、これらのスペースがいっぱいにならないうちに、片付けることが必要ですが。

生活スタイルは変化するので収納も柔軟に

もともとものを多く持つタイプの人と、少ないもので暮らせる人がいたり、衣類は少ないけれども本が多いという家族がいるように、持ち物の種類や量は人や家族によって違います。また、長く暮らしているうちに、生活スタイルや家族構成が変化して、新築時には適切だった収納が現在の暮らしに合わなくなってくることがあります。

それを解決するには、収納スペースの中をあまり作り込まず、柔軟性を持たせることです。例えば、棚板はしまうものに合わせて可動できるようにしたり、市販の収納ボックスを利用してその時々で変えられるようにしておくとよいでしょう。

まずは、自分がどんなタイプか見極める

引っ越しは不用品を処分するよい機会なので、新築時などは心を入れ替え、生活を変えるよいきっかけですが、自分の普段の生活や、片付けの習慣は、家を住み替えたところで大きく変えるのは難しいものです。

どんなところに、どのような収納を設けるかによって、片付けやすい家になったり、ものが散乱しやすい家になったりします。せっかく家を建てるなら、長きにわたって、住み心地のよい状態を維持したいもの。そのためにも、まずは、自分の持ち物や習慣を振り返りるところから、始めましょう。自分に必要な収納の形をイメージしたうえで収納計画を考えるのが、わが家に合った収納がみつかる近道だと言えるからです。
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