住宅設計・間取り/収納プラン

"適材適所"な収納でずっとすっきり空間!

新築時に考えたつもりでも長く暮らしているうちに、何となく片付かない家になってしまうことがあります。適材適所とはよくいわれることですが、どんなところに注意すればいいのか、今回は収納を取り上げます。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

収納はだれもが気になるテーマ?

住宅関係の雑誌の特集で、常に幅広い読者に人気があるのは「収納」の企画です。なぜ、人気が衰えないかというと、それは、収納に悩んでいる人が多いからでしょう。新築したり、リフォームして住み始めた直後はいいのですが、時間経過とともに、出しっぱなしやおきっぱなしになったものが増えていくという話もよく聞きます。私も片付けは大の苦手なので、引っ越して何年も経つのにすっきりと片付いているお宅をみると、なぜ、こんなにきれいなのか、とても気になります。今回は、長く暮らしていてもきれいに保てる収納について考えてみます。

ものがあふれる家とすっきりした家

取材で訪れたAさんとBさんの家のリビング・ダイニングは、どちらも約20畳とゆったりとした広さがありましが、室内の印象に大きな差がありました。Aさんの家がすっきりと片付いているのに対し、Bさんの家ではテーブルやソファの上にものが置かれていて、乱雑な印象を受けました。

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リビングで本や新聞を読む習慣があるなら、それらを置いておける収納をとっておくと、急な来客のときなどにも重宝します
AさんとBさんの家の印象の違いは収納に原因があると思います。どちらの家も、ダイニングセット、ソファとテレビが置かれていたのは同じですが、Aさんの家には、3箇所に造り付けの収納があり、そのほかに小さな引き出し付きの家具がテレビの近くと、ダイニングに置かれていました。それに対して、Bさんの家の場合は造り付け収納はゼロ。飾り棚はありましたが、ものをしまうための家具もありません。そのために、あちらこちらに出しっぱなしになっているものが目に付き、散らかっているように見えたのです。

収納は使う場所に設けることが大切

収納はたくさんあればいいというものではありません。使いやすい収納について考えるには、どこにどんな収納をどのくらい設けるかが、カギとなります。

なかでもどこに収納を設けるかは、あとから変えることが難しいので、新築の際にじっくり考えることが必要でしょう。前出のAさんは4人家族で、Bさんは2人家族でした。家族の多いAさんの家のほうが少し不利なのに片付いているのは、リビングで使うものをしまえる収納が確保されていたことが一因だと考えられます。

Bさんの家はキッチンが広く、吊り戸棚や食器棚などのほか、6畳弱の納戸も用意されており、一見すると収納はたっぷりとられている感じがします。けれども、キッチンで使うものや納戸にしまっておきたいものと、リビングで頻繁に使うものとは違います。リビングで使うものは、やはりリビングにあったほうが便利です。そして、よく使うものほど、取り出しやすくしまいやすい収納方法になっていることが「いつまでもきれいに」へつながるのです。



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