PHランプの良さとは?
写真1.PH5
PHの語源はこの器具をデザインしたデンマークの建築家ポール・ヘニングセンの名前の頭文字を取っています。
PHランプは1925年に生まれました。初めは3枚の金属製シェード(笠)を持ったもので、シェードの大きさの組み合わせでPH3-3やPH2-2といった呼称があります。このシリーズの一部にガラス製もありますが、多くは金属製になります。
私がPHランプに初めて出会ったのは40年ほど前になります。それは私が勤めていた照明会社の売り場にありました。複数の器具が天井近くの中空に浮いた感じで、まるで鳥が飛んでいるようでした。今思うとあれがPH5だったのです。
PH5はアルミニウムでできた4枚のシェード(笠)からなり、大きいシェードは直径500mmあります。どこから見ても器具内にあるランプは見えません。しかし、シェードは計算された反射光によって優しく光り、金属でありながらあたかも光が透過しているような美しい形態です。日本では当時、明るく光っているのが照明器具という考え方がありましたから、このようにまぶしさがなく心地よい光は、とても珍しく感じました。
写真2.ペンダン型PH5とテーブルランプ型PH5の併用による和室照明
次の頁では「黄昏時を再現する美しい光」についてご紹介します。