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ランタンと乳白グローブ 長崎で見た明かり(2ページ目)

長崎で開催されているあかりの祭典ランタンフェスティバルと、洋館でよく使われた乳白グローブ器具をご紹介します。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

乳白ガラスの柔らかな光


乳白ガラスグローブ型ペンダント
長崎の観光名所のひとつにグラバー園があります。ここは長崎港が見下ろせる丘にあります。19世紀半ば長崎港の開港に合わせてここを訪れた実業家であるスコットランド人グラバーの住んでいた家が今日まで奇跡的に残って保存されています。グラバー邸以外にもいくつかの洋館がここに移築されて、家の中を見学することができます。

部屋の照明は100年以上前のものと思われる石油ランプ(洋灯)や、復元されたものかどうかわかりませんが幾つか昔の電灯照明器具もありました。なかでも写真のようなグローブ型のペンダントが注目です。

おそらくお年寄りの方だと見たことのある、あるいは実際に使用されたことのあるデザインの器具だと思います。この器具はランプを乳白ガラスグローブで覆ったもので、柔らかな光が特徴です。古い洋館でしばしば見ることのできる器具で、大正ロマンを感じさせる建築に最もマッチする光です。
 
電球がガラスグローブで覆われるようになったのは1919年以降で、本格的にガス入り電球が普及してからのことです。それまでの真空電球に比べランプ自体が明るくなったことが大きな理由で、ランプが直接見える器具だとまぶしく感じるためといわれています。 照明器具のデザイン変遷はランプの進化に大きく影響されていることが、このことから良くわかります。

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