照明・LED/照明・LED関連情報

自然光を採り込む デイライトデザイン

建築に自然光をどう採り入れるかで昼間の見え方が変わります。人工光と自然光を一緒にデザインすることで空間がより引き立ちます。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

リチャード・ケリー


キンベル美術館(LD+A May1993 より)
欧米では、自然光をどのように建物に採り入れるかをデザインするデイライトデザインという職能が確立されているそうです。照明デザインを照明器具のデザインだけでなく、光によって建築をどのように見せるかというテクニカルライティングとして確立したのは、照明デザイナーのパイオニアと言われるアメリカのリチャード・ケリーでした。

光は光そのものを見ることが出来ず、その光がものにあたったとき初めて知覚できるのです。したがって、どのような視対象にあたるかによって、光の見え方は変わります。
次項でご紹介する地下鉄の駅のトップライト

日本でもリチャード・ケリーの教えに共感した照明設計者(私もその一人ですが)によるインテリアデザイナーや建築家とのコラボレーションが行われています。リチャード・ケリーは、人工光だけでなく、自然光を建築空間に採り入れたパイオニアでもありました。有名なのは、ルイス・カーン(建築家・アメリカ)のキンベル美術館です。

現在では美術館においても自然光を採り入れる試みがなされていますが、以前は自然光による退色など作品へのダメージを懸念し、展示場での自然光はタブーとされていました。それをキンベル美術館は写真のような天井のデザインによって、自然光を間接光にし、さらに白熱灯のスポットライトと一体化させたデザインは、自然光と人工光の競演として画期的なデザインといえます。

次の頁では、地下鉄の光デザインについてご紹介しています。
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