3月25日は電気の日です
写真1 電気の日記念碑 |
電気の日はエジソンの実用的電球が点灯される1年前の1878年(明治11年)、日本で初めてアーク灯が東京で点灯されたことを記念して昭和2年日本電気協会によって制定されたものです。世界では1863年フランスのある港の灯台にこの光が点灯され実用化の運びになりました。
今日、アーク灯の光を普通に目にすることはできませんが、その光はまるで日中の太陽光のように白くまぶしかったようです。1882年(明治15年)銀座2丁目の街灯にアーク灯が点灯したときの様子が浮世絵に出ています。そこに書かれている文字に「アーク灯の光があたかも白昼のごとき・・・」とあります。
写真2 記念碑の拡大 |
明るさはロウソク2000本(電球の60Wに換算するとおよそ30個分)と言われていますが、いずれにしてもその光の全てが小さな点から放射されることを想像してみてください。これは電気溶接の光と同じで直視できないくらいまぶしいです。
さらに紫外線や煤が生じる、また点灯持続時間が短いなどからその後に発明された白熱電球の特性を超えることができず結局、この光は自然消滅してしまったようです。
東京の銀座にアーク灯が点灯されたわずか2年後、上野駅に日本で始めてエジソン電球が点灯されています。その後の電球の普及速度を考えるとアーク灯の寿命がいかに短かったことが分かります。
銀座にアーク灯が点灯された場所の痕跡が今でも碑になって残っております。その碑は浮世絵に出ているものと似たような絵になっています。(写真1)アーク灯が初めて点灯された場所から近いところには、銀座で初めて点灯されたガス灯のモニュメントも残されています。