安定続く賃貸住宅経営

今年の賃貸住宅経営を占う
賃貸住宅経営の今年の展望を考えるのにあたって、まず、下のグラフを見てください。

平成12年を100として、平成元年から20年までの「民営家賃」、「日経平均株価」、「住宅地価」の推移を表したものです。
「民営家賃」、「日経平均株価」、「住宅地価」の推移
もうお気づきでしょう。家賃は、最も安定しています。住宅地価も安定していますが、こちらははっきりと下落傾向です。日経平均株価は平成20年に大きく下げていますが、これはご存知、リーマン・ショックによるものです。しかし、家賃はまったくといっていいほど、影響を受けていません。「民営家賃」額は、平成13年頃をピークにおだやかに下降していますが、「住宅地価」に比べ、その下落幅はごくわずかなものに留まっています。

今後、家賃が上昇に転ずるということはまず無いと思われますが、こうした安定傾向は変わらず続いていくことでしょう。

ですので、いま、多くの金融機関が、「大家さんにはお金を貸す」スタンスをとっています。優良な貸出し先と見ているからなのです。やはり、賃貸住宅経営は、経済環境の激動期にあってもつねに安定を望むことのできる投資手段とのひとつと言えるのではないでしょうか。

それでも厳しくなる賃貸住宅経営市況

しかし、一方ではこんな現実もあるのです。ひとつは、「家賃の二極化」です。

今、賃貸住宅経営が成り立つ(つまり儲かる)地理的環境が、急速に狭まっています。「安定の続く賃貸経営」も、物件の置かれた場所によっては、大きく、その事情が異なってくるのです。ひと言で言えば、「人気の地域は底堅い」。しかし、借り手に不人気な場所での賃貸経営は、今後はさらに厳しいものとなっていきます。地域の将来性をしっかりと見極めないままでの賃貸住宅経営への参画は、きわめて危険な冒険と心得てください。

この背景には、賃貸、分譲住宅の供給過多のほか、大都市・都心部への人口の集中、そして少子高齢化の影響があります。人だけでなく、仕事もサービスも都会に集中していく。この傾向は、今後も長期にわたって続きます。将来を見据えた上で、「これ以上は人や仕事が集まらないだろう」、「むしろ減っているのでは?」と思われる都市や地域での賃貸住宅経営を勧められても、決して安易に話に乗るべきではありません。

さらに、大都市やその都心部であっても、注意は必要です。鉄道の最寄り駅や沿線の利便性、物件のおかれている環境などによって、賃貸経営上、大きく成績に差がつく傾向はますます顕著になっていきます。各駅停車しか停まらない駅、あるいは「駅徒歩10分以上かかる立地」、これらは原則、要注意と見るべきでしょう。

次は引っ越しピークの時期でも人の移動がないをご紹介します。