土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

空室が埋まらない?その会社に任せたから(3ページ目)

賃料も適正、物件管理もしっかり行っている。それなのに空室が埋まらない場合、仲介を頼んでいる不動産会社に原因があることも考えられます。客付け方法、募集図面の作り方、接客態度などを点検してみましょう。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

どうりで部屋が埋まらないはずだ!

一事が万事のお店では?
ある大家さん(Dさん)が、長年入居者の募集を依頼している地元の不動産会社へ出向いた時のことです。店内からは「いらっしゃいませ」の挨拶も聞こえず、暗い雰囲気。Dさんは自ら窓口の椅子へ。やがて出てきた担当者、開口一番、「何でしょう?」。

「○○町のDだが」。「え? Dさん…どちら様でしたっけ? 何のご用ですか?」

Dさんはハッと気付いたのだそうです。「この会社、物件を探しに来られたお客様にも、こんな応対をしているんだ!」と。「これではお客様が腹を立てて、この会社から物件紹介をしてもらいたいとは思わなくなってしまう! そうか、どうりでウチのアパートの空室も、いつも埋まるのが遅いわけだ……」。

Dさんは早速この会社との契約を打ち切りました。そして同じ失敗を繰り返さないために、新たに契約した会社の窓口をその後は時折、直接、訪問することにしているそうです。

「募集を頼みっぱなし、ではなく、不動産会社との普段からのコミュニケーションをしっかり保つこと。これが大切だったんですね」と、Dさん。

不動産会社のやる気をチェックしよう

さて、Dさんのように、不動産会社とのコミュニケーションをしっかりと心がけるようになると、その会社の「やる気」が判るようになります。

たとえば、「土・日・祝日は休みます」という不動産会社さんなど、もってのほか。なぜなら、賃貸物件を探しているお客様の多くは、土・日・祝日に動くのです。

「お客様をお連れして内見するまで、お部屋を見たことはなかった。」こんな会社や担当者もいただけません。物件までのルート・周辺環境・お買物情報、更には物件の特徴・PRポイントなど、担当者や窓口のスタッフこそが、誰よりもそれらに詳しくなければいけないのです。

さらに、不動産会社の社員の顔ぶれが行くたびに変わっている……、などということはありませんか? 社員がころころ変わる会社は、やはり心配です。学校・買い物への利便性など、地元情報・物件情報に精通している社員が常に少ない会社と捉えるべきでしょう。そういう会社は、「担当不在」で即、顧客応対が麻痺します。募集の依頼主である大家さんが店頭を訪れても、「どちら様でしたっけ?」となるのも無理がありません。いつでも、何があっても、素早く「報告・連絡・相談」。これらをしっかりと実現してくれるパートナー選びが大切です。

そのほか、「接客態度の悪い会社があなたの賃貸住宅経営を妨害する」。これもDさんの事例のとおり、事実です。社員教育に熱心か。しっかりとした経営ビジョンを掲げているか。社員のビジネスマナーや礼儀作法・服装などからも判ります。チェックしてみましょう。

以上を踏まえた上で、
  • あなたの物件の魅力を捉え、掘り起こして、お客様を呼べる効果の高い募集図面を作り、広くたくさんの会社へ広く伝え流してくれる
  • インターネット・情報誌など、メディアを積極的に活用している
  • 入居者を大切なお客様として扱い、対応している
  • 競合物件のデータなど、明確な根拠を示した上で、賃料のありかた、リフォームの必要性などを的確にアドバイスしてくれる
  • 電話対応・窓口対応は、素早く丁寧、わかりやすい
  • 「報告・連絡・相談」を欠かさない体制がきちんとできている
  • そして、入居者が決まらないことを自分のことのように心配し、応援してくれる。
そんな「やる気のある不動産会社」をぜひパートナーに選びましょう。やる気のある会社は、物件情報を自社に抱え込んでしまうどころか、逆に、客付けしてくれる他の会社への「営業活動・PR活動」にも積極果敢です。
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