なぜ? 申込書ばかりで、契約に至らない
空室が埋まらない理由は、他にも? |
さて、前回の記事、「空室が埋まらない理由 それはあなたです」では、「間違った思い込みをしているわがままな大家さんが、不動産会社のせっかくの提案にも耳をかさず、長期に渡って利益の機会を失ってしまった」という事例を紹介しました。
今回は、逆のお話をしましょう。
特に立地も悪くなく、賃料も適正、物件管理もしっかりと行なっている。「それなのに空室が埋まらない」と嘆く大家さん、原因は、あなたが仲介を依頼している不動産会社にあるのかもしれません。
お嘆きの大家さん、あなたは、あなたの大事な物件の情報が、どんな形で世の中に紹介されているのか、確認したことはありますか?「ない」と、いう場合、すぐに確認してください。
- インターネット、情報誌、チラシ広告……、どんな媒体を使って入居者を募集しているのか? どう、それらを活用しているのか?
- 自社だけでなく、他の不動産会社に向けても広く情報を流通させているか?
- 自社だけで入居者を獲得しようとし、情報を抱え込んでしまってはいないか?
ある不動産会社C社は、ご近所の大家さんから一般媒介での客付けを頼まれていました。一般媒介ですので、大家さんはライバル会社にも入居者募集を頼んでいそうです。しかし、どうしても自社で客付けしたかったC社は、まだ迷っている客に『一本の電話でキャンセルできますので……』と申込書を書かせ、大家さんへFAX。募集を止めさせてしまいます。
律儀な大家さんはその都度、他の会社へ募集の一旦休止を連絡。しかし、C社の客は、結局、他の物件や不動産会社を選び、申込みをキャンセル。大家さんは大事な繁忙期を逃してしまいました……。
この困ったC社、大家さんの目からは、さぞ、客付けのために、活発に動いてくれていたように見えたことでしょう。ところが、そうではなかったのです。C社(あるいは問題のあるここの一担当者)こそが、仲介手数料収入を独り占めしたいあまりに、大家さんの足を引っ張っていた張本人でした。
こうした事態を避けるために、大家さんはC社に対し、〔具体的な入居者の様子や要望〕をしっかりと尋ねるべきでした。また普段から、〔募集方法、案内方法〕をしっかりと確認しておくべきでした。コミッション制(歩合制)を採用している不動産会社の場合、営業マンが、自分の成績を優先するあまり、大家さんや入居者のことを忘れて不誠実な行動に走ることもあるようです。
次は魅力的なチラシ(募集図面)であなたの物件はアピールされているか?をご紹介します。