キッチン離婚の生まれる理由と解決策
■1: 業務用のキッチン機器は誰のもの?
調理を趣味とする男性が、一番に使いたがる業務用ハイカロリーガスコンロを採用した結果、奥様の方は怖がって料理に手が出せなくなるご家庭をよく見うけます。
一方、“毎日の料理は俺の役目”と宣言していたご主人の方も、仕事が忙しくなるとキッチンに立つ時間は少なくなり、徐々にキッチン作業から遠のきはじめます。専業主夫宣言でもしない限り、そんなに毎日夫がキッチンに立てるはずもないのです。
最初の計画段階から“男の料理は趣味であり、たまの休みの日に腕を振るう事がある”という程度に、お互いが理解しておけば、過剰設備の無駄な投資をする事も無くなるわけです。
■2:ふたりにとって使いやすいキッチンとは?
キッチンは作業場です。作業性が良い事はキッチン設計の基本でもあります。ところが夫婦の身長が大きく違うと、キッチンの高さをどうすれば良いのでしょうか?
ガイド記事「キッチンの高さ寸法はどう決める?」をご覧いただくと、身長と作業台の最適高さの関係が分かります。150cm前後の身長の方の作業台の高さは80cm。160cm前後の身長の方の作業台の高さは86cm。180cm前後の身長の方の調理作業台の高さは98cmですから、男性が180cmで、女性が150cmのカップルの場合最適高さには20cm近い差が生じるのです。さらに細かい検証をしてみると、シンク、作業台、コンロの最適高さは、それぞれ5cmづつ低くなるのです。
こんなとき、あなたは何を基準にして高さを決めていますか?もちろんこの時にキッチン作業の主体がどちらなのか、はっきりしておく必要があります。中間値の高さにするとかえってどちらも使いにくいことになってしまいます。
往々にして、こんな時も男性がキッチン計画に没頭し始めると自分に使いやすい高さしか目に入らなくなってしまいます。ショールームで体験する靴を履いた高さでの確認ほど、まずい検証はありません。実際に家庭に戻って、今の作業台、シンク、コンロの高さで使い勝手に問題が無いのかどうか、ふたりでじっくりと話し合うことが大切です。
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