KDCM主催「木材のルーツを探る新木場セミナー」
参加レポート
KDCM(キッチンデザイナーズ・クロスミーティング委員会)は、メーカーやフリーランスで活躍するキッチンデザイナーの横断的なつながりを築き、お互いのコミュニケーションと切磋琢磨から、次世代の日本発信オリジナルキッチンが生まれることを願って、2005年11月から活動を開始した研究会です。
これまで毎年一回の記念講演会や延べ15回以上の勉強会を開催し、その活動が高く評価されはじめています。
この勉強会の活動の一環として、オーダーキッチン業界でも著名なニシザキ工芸の協力を得て、6月26日に新木場を会場にして「木の原点を知る」勉強会を開きました。木場の出身でもある木材研究の第一人者「村山元春」氏を講師にお招きして、半日以上にわたる充実した内容でした。その概要を報告します。
快晴の一日、新木場駅前に午後1時に集合。今回の参加者は26名。チャーターバスにゆったり乗って、まず新木場の区画全体を巡回し、おおむねの規模を実感する。
新木場は東京湾埋立14号地の湾岸道路より南を占め、湾岸道路より北に夢の島がある。 「木場」とは、貯木場のことで、かつて海路で江戸や東京に運ばれた材木は、隅田川河口にあった木場に貯木されていた。埋め立てにより木場が内陸となり、新木場が「新たな木場」となった。新木場は荒川の河口に移転した訳だ。
まず最初の見学先は、新木場の貯木場に面し、秋田杉・木曽桧・銘木(長尺・巾広)など、心に残る逸品木材問屋として知られる「鴨川商店」。
羽田空港を離着陸する旅客機が遠望できる貯木場。資源国の丸太輸出が規制され、あらかじめ製材された外材の輸入しかできなくなったため、貯木場の意味が薄れ、この鴨川商店の貯木場ほか数カ所を残すだけとなっている。
そのまま浮かんでると思っていたら、ゆっくり左右に回る丸太に初乗り体験。
へっぴり腰姿で、なんとか体を支えるバランス体験は貴重だった。
鴨川商店の製材工場内部。巨大な材が、きわめて繊細に微調整された縦ノコで分割される。
30センチ以上もある欅の板は、次の現場でぜひ使ってみたい素材だ。
60~90ミリ程度に切り分けられたカウンター材が、根元を上にして立てかけられ自然乾燥しながら、家具屋や工務店などからの注文を待つ。