不動産売却・査定/買い換えの基本とテクニック

「なるほど!」思わずうなずける買い換えテク<3> 「売り先行」のメリットと注意点

売り先行は、売却代金を先に確定できるので、より安全な買い換え実行策です。仮住まいが必要になるので余分なコストを計算しておきましょう。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド


以前に、買い先行の買い換えをご紹介しました。
「買い先行」のメリット4+1(「なるほど!」思わずうなずける買い換えテク<1>)

買い先行は、資金と時間にとても余裕のある人ができる買い換え術でした。なぜなら、一時的に2件の家を同時に所有することになりますから、特に資金の制約が大きいです。また、買い先行はリスクを負ってできるだけ家を高く売る方法ですが、一方の「売り先行」は買い換えのリスクを最小限にするために、真っ先に家を売って資金を確保しておくという方法です。

《自宅の売却》→《仮住まい》→《買い物件探し》→ 《買い物件の購入と決済》→《本・引越し》

所用資金の点では、「売り先行」のハードルは買い先行ほど高くありません。もちろん、余分な費用がかかりますが、買い先行で一時的に注ぎ込む資金に比べたら「売り先行」にかかる資金はひとケタ小さいです。一般的には、仮住まいに要する費用が考えられます。

「売り先行」のメリットを考えてみましょう。
●購入予算がはっきりする
●じっくりと買い物件を探せる
●売りと買いが連動していないので、取引が単純で分かりやすい
●売ったお金をすぐ使わないので、取引が簡単
●売りと買いで仲介業者を別に選べる


「売り先行」のデメリットは次のようなことが挙げられます。
△一度仮住まいをしなければならない
△買い物件が見つからなかったら・・・という不安
△引越しを2回しなければならない
△売却代金の保管
△探している間にインフレが起きるリスク


「売り先行」で、意外と苦労するのが、
仮住まいを探すことです。大家さんは短期貸しを嫌います。ですから、気に入った仮住まいの賃借物件が見つかっても、短期であることを打ち明けると断られることがあります。うそをつくことは良くありませんが、正直に短期であることを打ち明けるよりも、契約期間の2年間を借りるつもりで探したほうがよいでしょう。ただし、賃貸借契約の際に、契約満期前の事前退去に関するペナルティー条項がないことを確認しておきましょう。

次ページでは、仮住まいについて、さらに詳しく・・・
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