マンションの売却/マンション売却の基礎知識

売れる中古マンション実戦講座<2> 中古マンション値づけ法

中古マンションの値づけ法の基本はどうなっているのでしょう。中古マンションの売却ノウハウを特集する新シリーズの開始です。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド


中古マンションを売ることが激戦であることを前号でお伝えしました。
【関連記事】「マンションの成約率なんと1割!」

適正な値づけをしなければ、中古マンションは売れません。中古マンションを売って買い替える人のために、自分のマンションの値段の求め方をこれから何回かにわたってご案内したいと思います。

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マンションをじょうずに売るには適正な値づけが必要!そのためには、マンションの価格査定の方法を知っておいて損はない

不動産を値づけする3つの方法


価格を算出することを「査定」といいますが、不動産価格に関しては、唯一絶対の査定方法はありません。現実に買い手がお金を出して買っていった価格が、正しい価格です。本当の査定をするのは、あなたのマンションを買ってくれる人なのです。しかし、それは結果論なので、何とか売れる値段を予測しようと専門家は苦心します。不動産の価格を査定する方法には、おおざっぱに言って、次の3つの方法があります。

●収益還元法
●原価法
●取引事例比較法

最初の収益還元法は収益(家賃やテナント料)がある不動産の価格を決めるもので、マイホームでは使えません。2番目の原価法は新築マンションの査定では有効ですが、中古マンションには不向きです。中古マンションの価格査定としては、最後の取引事例比較法が、一般的にはよく使われています。

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マンションがいくらで売れるかを知るには、似ているマンションの売買事例を知ることがまず必要な作業です

取引事例比較で中古マンションを査定する


取引事例比較法にもいろいろなやり方がありますが、業界で一般的なツールとしては、財団法人不動産流通近代化センターが作成した「中古マンションの値づけ法」(中古マンション価格査定マニュアル)がありますので、本シリーズではそのマニュアルを基本に解説をしていきます。

このマニュアルは業者向けに作られていますので、そのまま紹介するのではむずかしいので、素人の人にも分かるように簡単に解説していきます。

1.実際に売買されたマンションを探します。そのマンションを「事例マンション」と呼びます。あなたのマンションと似ている物件の最近の売買事例から探してきます。できるだけ同格のマンションで、できるだけ新しい売買事例がいいです。

2.「事例マンション」の売れた金額を専有面積で割って、平米あたりの価格単価を計算します。(価格単価 = 事例マンションの売却価格 ÷ 専有面積・平米)

3.事例マンションとあなたのマンション(「査定マンション」と呼ぶ)との諸条件の比較し、判定・評価します。(「事例マンション」と「査定マンション」を項目ごとに採点をします)

4.下の計算式に、数字を当てはめて査定価格を算出します。
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事例マンションの売却単価から評価点による補正をしたうえで自分のマンションの適正価格を按分計算により算出できます「中古マンション値づけ法」(財団法人不動産流通近代化センター)から引用。


それでは、次のページで例題をひとつ解いてみましょう。
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