次世代省エネルギー基準とは
「すだれ」などの開口部の遮熱化は、次世代省エネ基準でも推奨されている |
では「エネルギーをなるべく使わない住宅」とはどんなものなのか、国が誘導基準としている次世代省エネ基準の主なポイントをここで振り返っておきましょう。
■床・壁・天井・開口部の高気密・高断熱化(外壁断熱材を厚さ100ミリ・天井断熱材を厚さ180ミリ・床断熱材を厚さ100ミリにする/窓を複層ガラスにするなど)
■開口部の遮熱化(南窓に軒・庇/東西窓に日よけをつくる)
■気密性の高い窓サッシにする
このほか、庭に樹木を植えたり、池をつくることで風を発生させ、敷地内に微気候をつくる--といった方法は、高技術や開発コストを前提としなくてもできる省エネ対策として、昨今のロハス機運の高まりとともに注目されつつあるようです。
また、新築・リフォームなどの節目でなくても、日々の暮らし方でも温暖化対策は十分可能です。例えば「節水」。水をつくる際には地下から汲み上げたり浄水場から運ぶための動力源とエネルギーが必要になりますが、最近の設備メーカーでは水の使用量が少ないトイレも開発。INAXによると、1989年~2001年までに発売されたトイレの1回使用あたりの水量は13リットルだったのが、今では半分以下の6リットルまで減り、CO2に換算すると年間27キログラムの排出量を減らす効果を出しています。
同社調査によると、ユーザー側でも地道な温暖化対策が日々実践されているよう。「温暖化防止のために家で何か実践しているか」という問いに、7割弱が実践し、実践率は男性よりも女性、そして次世代の地球を考えてか子供のいる家庭でより高い結果に。キッチンでは「照明をこまめに消す」「水を出しっぱなしにしない」「調理の際、ガスや電気を無駄なく使う」「炊飯ジャーの保温スイッチを切る」「冷蔵庫にモノを詰めすぎない」という回答があがりました。
温暖化防止のために家庭でできる手段は、8割弱が「節電」と回答(出典:INAX「地球温暖化に関する意識と実態調査」2007年6月) |
また、リビングでは「冷暖房の使用を控える」「コンセントからプラグをこまめに抜く」「テレビの視聴時間を減らす」「家族が同じ部屋で過ごす」など、浴室では「シャワーを出しっぱなしにしない」「残り湯を洗濯に利用」「お湯を少なめに溜める」、トイレでは「(消音のための)二度流しをしない」「大小レバーを使い分ける」などの対策が実践されているようです。
節水や照明のこまめなオンオフというと、何か地味な感じがしますが、1日1日、1人1人の小さな積み重ねが大切。住宅の省エネ仕様だけでなく、実は入居後にずっと続くこうした「毎日の温暖化対策」こそ効果は大きいのです。
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【関連リンク】
・(財)建築環境・省エネルギー機構(IBEC)次世代省エネルギー基準
・INAX公式サイト
・住友林業公式サイト
・ダイワハウス公式サイト
・ミサワホーム公式サイト
・三井ホーム公式サイト
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