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残暑に考えたい「脱エアコン生活の家」(2ページ目)

昼間はエアコン生活だけど、朝晩は心地よい風を感じるようになったこの頃。こんな自然の風を利用する家づくりが業界でも増えています。「エアコン効率のいい家」から「エアコンのいらない家」へ??。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

街まるごと「二酸化炭素20%削減タウン」始動

越谷レイクタウン
先行販売された「越谷レイクタウン」マンション街区のイメージ
2006年11月に環境省の新規モデル事業「街区まるごと二酸化炭素20%削減事業」の第一号として話題になったのが、ダイワハウスが埼玉県越谷市で進めている「越谷レイクタウン」。UR都市機構が整備する約226ヘクタール、計画人口2万2400人のニュータウンに、戸建て132戸と分譲マンション3棟500戸を一体開発。今年7月からマンションの先行販売がスタートしています。

分譲マンション街区に日本最大規模の住宅用太陽熱利用設備を導入。その太陽熱集熱器(太陽熱パネル)の総面積は1000平方メートルになるといいます。戸建て街区でも全戸を同社の主力商品「ジーヴォ」とし、外張り断熱通気工法による断熱性でCO2を削減するほか、エコキュートやオール電化で省エネ効果をアップ。外構の緑化や保水性舗装などによるヒートアイランド現象の抑制策も盛り込んでいます。

レイクタウン全体図
中央の調整池を挟んだ左側は戸建て街区。一戸一戸の配置や外構緑化、保水性舗装などにも気を遣う
また街全体では、治水および地球温暖化対策として街区中央に大きな調整池を配置し、その水辺一体を「親水文化創造都市」として整備。東大生産技術研究所と共同で「風矯温熱環境シミュレーション」を実施し、地域の風を住宅内に取り込んで冷暖房エネルギーを使わないよう、建物の配置や間取り、プランニングなどに導入されています。

通常ここまでの大規模な街づくりは複数の事業者が共同開発するのが多いのですが、今回はダイワハウス単独開発という初の試み。街全体で一般的な家庭のCO2排出量より20%以上削減するという大掛かりな計画に、単独事業者による一体開発という強みがどう発揮されるか注目されます。

全国一斉モデルハウス消灯運動も

三井ホームポスター
モデルハウス来場客に消灯運動への理解を呼びかけるポスター
一方、全国240箇所のモデルハウスで消灯運動を始めた三井ホーム。今年7月から月曜~金曜の平日(定休の水曜を除く)、原則的2階以上のフロアの照明を消灯することを実施。地球温暖化対策の国民運動「チーム・マイナス6%」に基づき、モデルハウスでもできる環境運動を、ということでスタートしました。

これにより、モデルハウス運営で発生するCO2量が年間約407トン削減可能。これは、一般家庭の一世帯あたりの年間CO2排出量に換算すると約112世帯分、同社の構造材である木のCO2吸収量に置き換えると、約800本分に相当するとしています。

来場の比較的少ない平日とはいえ、消灯運動にあたっては来客にも理解してもらえるよう説明用ポスターも作成。説明装置などの照明についても、未使用時にはこまめに切るように努めるなど、「省エネ住宅の供給」だけにとどまらない総合的な環境運動の取り組みも業界では動きつつあります。

次ページでは、国が省エネ住宅の誘導基準として掲げる次世代省エネ基準、そして家づくり以外でも毎日の生活のなかでできる温暖化対策について考えます。
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