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戸建て価格の上昇基調、今後どうなる?(3ページ目)

地価上昇に伴って上昇基調にあった一戸建て価格も、ここに来てちょっと異変が……。基準地価の横ばい傾向とあわせ、今を一つの分岐点とする見方も出てきています。いま戸建ての世界で何が起こってる?

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

異変次々?! 今後の戸建て価格は……

都市イメージ
先に発表された基準地価では早くも地価上げ止まり傾向も
先の9月17日に発表された基準地価では、商業地がバブル崩壊以降初めて上昇に転じましたが、上昇基調で先行していた住宅地では早くも横ばい傾向に。高騰を続けてきた都心地価は頭打ちの様相を見せ始めています。

これは、地価上昇を支えてきた海外の不動産投資マネーが減り始めたためで、米サブプライム問題で投資家の意欲がさらに冷え込む可能性も指摘されています。

こうした地価上げ止まり要因とは別に、すでにマンションでは価格上昇で購入者の手が届かず在庫が膨らみ、価格ダウンの兆しが出ているというマスコミ報道もあり、戸建ての価格も今後ダウン傾向にあるのでは、という見方が一部出てきています。

特に注文住宅の場合、需要のメインは予算の限られた土地なしの一次取得層。地価が高いまま続けば、結果的に建物にかけられるコストは削られることになります。このため、これまでは上昇基調だった工事費単価も、これからはややダウン傾向になるのではないか、というのが業界の大方の見方です。

もちろん、省エネ設備の標準化などで付加価値を高め、坪あたり平均単価が70万円台に突入した大手ハウスメーカーもありますが、全体では太陽光発電システムやオール電化などの高スペック化による単価アップ策も一段落した状況。世帯人数の小粒化で平均延べ床面積が年々小さくなっていることもあり、全体として工事総額はこれ以上アップできないのでは……いう見方が一般的なようです。

分岐点の今が一つの買い時か?

家計における景気回復の実感がないなかで収入格差が進み、上げ止まったとはいえ地価が高いまま推移すれば、一次取得層が買える戸建ての価格にも微妙な影響が出てくるのでは、との推察もあります。

いずれにせよ、目前には新・福田政権も避けて通れない消費税引き上げ問題が控えています。逆に言えば、こうした価格ダウン傾向と消費税引き上げ前というタイミング、住宅ローン減税も来年いっぱいまでということを考え合わせると、住宅購入を考えている人にとっては今が一つの買い時とみることもできるのかもしれません。

【関連記事】
米サブプライム問題に学ぶ!住宅購入の教訓
金利も地価も上昇!「今が買い時」の理由
【関連リンク】
東日本レインズ「首都圏戸建レポート」(PDF)
(社)住宅生産団体連合会「住宅業況調査」
全国建設労働組合総連合(全建総連)「2006年8月工務店モニター調査」(PDF)
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