クリスマスは家族でリビングに集まって楽しく伝統行事の話をする絶好の機会 |
リビングの求心力が年々低下している?
さてここ十数年来、子供部屋が必要かどうかという議論が続き、子供部屋の個室弊害論や引きこもり誘発論が指摘されてきましたが、実は子供が引きこもって出てこなくなるという問題は、立派な個室を与えたことだけによるものではなく、リビングの問題も深くかかわっているように思います。リビングの求心力を「あえて作り出す」時代に(写真:三井ホーム「レゾンテ」キッズリビング) |
頑固なお父さんも、反抗期のおにいちゃんも、そのちゃぶ台に交じって新聞を広げていたり、食事の時間にはムッツリでもちゃんと座ったり。会話に交じっていなくても空間や同じ時間を共有し、おいしいゴハンを食べながら、それなりに心がほぐれていったのではないでしょうか。
リビングの求心力を「作り出す」時代に
思春期の難しい時期も、こんなエアリビングがあったらリビングで過ごすことが気分転換になる?(写真:ダイワハウス) |
あまりにも「家の外」が便利になってしまったため、努力しないと家やリビングの魅力がどんどんかき消されてしまう時代にあるのです。しかし、その失われたリビングの魅力も、住まいのちょっと仕掛けで意外に取り戻せたりするのではないでしょうか。
最近、家全体がオープンなつくりが増えていますが、たとえばリビングの中に子供専用のスペースをつくれるのも、広い一戸建てならではの魅力。その「キッズリビング」には子供専用のテーブルやチェアを置いたり、自由なプレイルームを、リビングの隅や隣につくっておくと、子供は自分の領域を学んで安心して遊べます。その代わり、そういうスペースは傷つきにくく、張替えできるクロスにするなどの工夫も必要です。
リビングなどに一角に親子で並んで作業できるファミリーライブラリーの提案も増えている(写真:ダイワハウス「ハッピーハグモデル」 |
また、リビングなどの中に家族共有のパソコンスペースをつくれば、意外と辞書や本など共有することも多いので便利ですし、親が調べものをしたり机に向かっている姿を見せることは子供にもよい刺激になります。ママとのコミュニケーションは多くても、パパと一緒に過ごす時間をつくることは意外に難しいもの。でもこうした共有のワークスペースなら自然な雰囲気で肩を並べて一緒に過ごせます。
次ページでは、リビングを中心にした動線について考えてみましょう。