共通課題は「低コスト化×コストパフォーマンス高性能」
「住宅業界に限っては、100年に一度の不況トンネルも抜けられないかもしれない」と危機感を語ったミサワホーム竹中社長 |
そうした危機感は、大手ハウスメーカートップの言葉の端々からも見てとれます。「昨年30歳になった人口が220万人で、昨年生まれた赤ちゃんの数は150万人。この2つを見比べてみても、住宅建築需要層が半減していくのは明らか。今はたまたま不況のトンネルの只中にいるが、そのトンネルから抜けて景気がよくなっても、トンネルに入る前に我々が見た業界の景色が、トンネルを抜けたら様変わりしているかもしれない」(2009年4月の新商品発表会にてミサワホーム竹中社長)。
今年生まれた赤ちゃんは、30歳人口の半分……少子化は住宅業界の不可避な問題 |
老舗メーカーが1300万円台グッドパフォーマンス住宅
エス・バイ・エルがリリースしたグッドパフォーマンス住宅「GP1」ゲートウォールタイプ |
「GP1」とは、その名の由来も「グッドパフォーマンスGood Performance」。来月4日に施行予定の長期優良住宅法の認定性能をクリアしつつ、本体価格1300万円の低コスト住宅。30代一次取得層向けの「購入意欲はあるけど収入が少なく、でも住宅の基本性能&スペック&設備は押さえておきたい」というニーズを逆手に取った商品です。
「建物の外周形状からコストダウンを見つめなおした」と語るエス・バイ・エル松川社長 |
倹約ムダ嫌い30代をターゲット
この世代ニーズを汲み、耐震・耐久・省エネなど基本性能は住宅性能表示制度の最高等級やCASBEE「Sランク」を満たし、オール電化や食器洗い乾燥機、キッチンパントリー収納など人気のアイテムもフルスペックで標準装備。先立ってリリースされ超長期住宅先導的モデル事業にも採択された邸別高耐久システム「Loop」も搭載するなど、高いコストパフォーマンスを実現しています。これらのスペックを装備するには当然、大幅なコストダウンが必要となりますが、外郭形状をシンプルな真四角にすることでクロスや外壁材、工事コストのロスを削減し、人気アイテムを大量発注することでのコストダウンを推進したりなど、長年の実績で培った技術力とノウハウで「住宅プランニングの考え方」を根本から見つめなおしたと言います。
次は、今回のサブプライム不況をもろに受けた自動車グループの住宅メーカーの挑戦です。