『輸入住宅』は、以前に比べて『特別な住まい』という印象はなくなって、日本の家づくりのひとつの選択枝として定着してきたようです。
同じように『輸入建材』や『輸入設備機器』も、国産の製品と同列に比較検討して、本当に自分にあった製品を選ぶ人が増えてきているように思えます。とはいえ、デザイン性や輸入品という雰囲気で魅かれてしまう部分があるのも事実。しかし、国産と輸入品では、特徴、素材や性能、メンテナンスなど異なる点もあります。デザインや雰囲気も大切ですが、数多くの輸入製品が出回ってきている中、それらの相違点もしっかり理解してから選ぶようにしたいもの。今回は、そんな輸入製品なかで『輸入建材』についての特徴と注意点をみていきましょう。
代表的な外壁材は、煉瓦や石、サイデイング
■煉瓦
煉瓦造りの重厚な外観は、イギリスなどヨーロッパの落ち着いた雰囲気を感じさせますよね。イングリッシュガーデンのように花や草木ともしっくり馴染む外壁です。煉瓦は、ヨーロッパで昔から使われていた材料のひとつ。耐久性、耐火性、保温性に優れ、焼け具合によってひとつひとつの色合いが異なることから、その自然の風合いが大きな魅力となっています。ただ、施工に手間がかかるため、コスト高になってしまいがちですな面も。施工性を高めた素材としては、煉瓦を20~30ミリにスライスした煉瓦タイル(貼煉瓦)やスライスしたタイルと断熱材や合板で組み合わせた煉瓦パネルなどもあります。
[注意]
寒冷地では、煉瓦の中の気泡に水分が入り、煉瓦タイルが割れることも。
■人造石
天然石の重厚さも魅力的ですが、なかなか用いることが難しいこともあり、天然石の雰囲気を再現した人造石が多く出ています。天然石の粉と軽量骨材、セメントなどを混ぜてつくられていて、メーカー独自の技術によって、軽量化を進めたり、耐久性を高めたりしています。もちろん、天然石に比べて価格も安価で、施工性も良いのが特徴です。
■サイディング
ナチュラルな雰囲気を醸し出す木質のサイディングに魅かれる方も多いのでは?木質のサイディングは、北米の住宅に昔から使われてきた素材で、材質は、耐水性のあるレッドシダーやレッドウッドが主流。多湿と乾燥を繰り返すと、クラックが発生するので、重ねる幅や塗装が重要です。また、合板や木材のチップを使って成形した製品や軽量で施工性も高いアルミサイディングもあります。防火、防水性に優れています。
[注意とメンテナンス]
防火規制を受ける敷地では、木質系のサイディングは使えないので、確認を。
煉瓦のメンテナンス、は基本的には不要です。人造石は、防水防止剤の吹きつけが必要な商品もあるので、事前に確認を忘れずに。木質サイディングは、塗料の塗りなおしが必要です。
次ページでは、タイルやテラコッタをみていきましょう。