日常生活の不便やストレスがたまる住みながらのリフォーム
リフォームやリノベーションの規模やプランによって異なりますが、全面リフォームなど大掛かりな工事以外は、日常の暮らしのスペースが工事現場となり、住みながら工事が進むケースは多くみられます。工事中は、普段とは違う気苦労やストレスもあり、「思っていたよりも大変だった」「とても疲れてしまった」という声も。住ながらのリフォームとなる場合は、プランニングはもちろんですが、工事期間や工事中の不便さなど、事前に確認し、納得した上で進めることが大切でしょう。住みながらリフォーム 体験談
■外壁を塗り替えたAさんの場合 職人さんの出入り、工期の延長にストレスが外壁の塗り替え工事は、天気にも左右されるので余裕をもって計画を
外壁の塗り替えですから、基本的には室内の暮らしは変わりません。しかし、家全体に足場が組まれ、窓から作業をする職人さんの姿を目にする日々は、やはり落ち着かないもの。窓も開けられず、洗濯物を干すことができない、といった毎日が長く続くと、ストレスを感じることもあるかもしれません。
また、「外出しても構わない、と言われたけれど、やはり気になって、あまり家を空けたくなかった。信用していないわけじゃないけれど」とAさん。家の中は普段通りのはずなのに、やはり、予定よりも長くなると、精神的にも肉体的にも疲れが出てきてしまうのでしょう。
■キッチン、バス・サニタリーを変更したBさんの場合 水まわりは使えない期間が問題
システムキッチンを変更するに伴って、床や壁材も張替、床下収納なども取り入れることに。予定よりも工事内容が膨らむのはよくあるケースだ
工事期間は、2週間強。家の中で工事が進んでいるので、落ち着かないのはもちろんのこと、留守にしにくく、お茶とお菓子の用意も気になって、気疲れは予想以上だったとか。一番大変だったのは、やはり、トイレや浴室が使えない期間があったこと。食事は荷物を運びこんだ客間の隅で、電気プレートやポットで作ることもできたし、外食を組み合わせれば、それほど苦痛ではなかったそうです。
ただ、正解だったのは、気候のいい時期を選んでの工事だったので、冷暖房の心配がなかったこと、すべて1階部分の工事だったため、2階にいればそれほど気にせずに済んだこと、など。工事時期やプランニングによって、疲れ方なども変わってくるようです。
住みながらのリフォームで困ったこと
AさんやBさんのように、住みながらリフォームで、多くの方が気になることとして挙げるのは、落ち着かない、日常の生活ができない、食事や入浴が不便、など。また、予想外の出費が痛かった、という体験談もよく聞かれます。- 人の出入りで落ち着かない
- 外出できない(外出しにくい)
- 工事音が気になる
- 埃やプライバシーなどの理由から洗濯物が干せない
- 工事中はでエアコンが使えなくて暑い(寒い)
- 子供の試験(受験)勉強の時期と重なってしまった
- キッチン工事で食事がつくれず、外食が増えた
- 浴室が使えなくて、温浴施設通いが続いた
- ペットが興奮してしまうので、ホテルに預けた
住みながらのリフォームのメリット
便器と共通の給排水を利用できるため手洗器の給排水工事が不要(「レストパルF」「レストパル」のL型タイプ)。リモデルにも適する。[レストパル] TOTO
- 職人さんと仲良くなり、相談しながら工事を進めてくれたので、満足度もアップ
- 工事の進み具合を日々確認できたので安心できた
- 子供の自由研究のテーマにできた
住みながらリフォームの進め方と注意ポイント
楽しさもあるものの、やはり大変さも多い住みながらのリフォーム。出来る限りスムーズに、ストレスを減らすためには、いくつかの気をつけたいポイントがあります。既存の窓に外壁の上から簡単取付けることが可能。住まいの防犯性や快適さを向上させることができる。 [リフォームシャッター] LIXIL
大まかなプランニングが分かれば、工事期間もみえてくるでしょう。暑い時期、寒い時期など季節を考慮したり、受験や進学、家族の行事などの時期も念頭において、計画を立てることが大切です。
■Point2 スケジュールには余裕をもって
リフォームは、工事を始めてからや解体してからも不都合が見つかりがち。予定したスケジュールが変更になるケースもあります。余裕をもったスケジュールで進めるようにしましょう。
■Point3 キッチンやバス・サニタリーが使えない期間の対処方法を考えておく
キッチンやバス・サニタリーなどのリフォームの場合は、それらを使えなくなる期間があるもの。使用できな時期を、事前に確認するとともに、その間の対処方法を検討しておくこと。場合によっては、仮設のトイレやバスルームなどを設置してもらうケースも。特に幼いお子さんや高齢の方がいらっしゃる場合など、早めに考えておきましょう。
■Point4 工事の妨げになる家財はまとめる、預ける、処分する
大掛かりな工事では、家財道具をまとめておく必要があります。客間などの保管場所がなければ、トランクルームへ預けることも考慮して。また、リフォームを持ち物を整理するいい機会ととらえ、処分することを検討してみてもいいのではないでしょうか。
■Point5 予想外の出費も想定してプランニングを
住みながらのリフォームに限ったことではありませんが、リフォームでは、追加変更工事も多く、予算オーバーしてしまうケースも。また、工事費以外でも、職人さんへのお茶、近隣あいさつ、工事中の外食費や銭湯代などがかかる場合もあるでしょう。それぞれ、ある程度の費用がかかることを想定して、余裕を持っておくことも重要です。
工事期間を短縮できる設備や建材商品はバリエーションも豊富に
既存の流し台とシンクとコンロの位置を合わせられるので、水栓やレンジフードをそのまま活かせば工事が不要。間口も豊富なラインアップが揃うため、簡単な工事できれいに収まる。[パッとりくん GXシリーズ I型 間口240cm] LIXIL
リフォームプランを進める中では、さまざまな建材や設備機器を選ぶことになります。最近では、各メーカーから、リフォーム向けの商品の提案がみられ、バリエーションも豊富になっています。特に住みながらのリフォームの場合、施工期間を短縮できるように工夫された商品は、積極的に検討したいもの。リフォーム向けの商品カタログも用意されているので、事前にチェックしておくようにしましょう。
■既存のスペースや配管などに対応しやすい水まわり機器
水まわり機器にはリフォームに適した商品が多くみられます。システムキッチンでは、既存の排水管や換気扇など、移動が難しい部分にも対応でき、施工しやすいタイプなど。システムバスでは、既存のスペースでもより広々した浴槽や洗い場を確保できるタイプ、搬入しやすいようにフレームや床などを分割したり、配管接続が容易になるパーツなどを揃え、現場対応力を高めた商品などもみられます。トイレ機器も既存の配管に合わせて設置できるものなどが揃っています。
■既存の建材に重ねて施工できたり、枠などを利用できる商品
間口の狭い勝手口の幅を狭めない、新構造のアウトセット枠を採用。簡単に取り替えることができる。[かんたんドアリモ 勝手口ドア] YKK AP
内外装建材は、既存の建材(素材)の上から施工可能な商品が多くみられるようになりました。解体作業が不要のため工事期間を短くすることが可能なものです。商品的には、既存の屋根を剥がさずに、その上に直接施工できる屋根材、専用の下地材を取り付け、直接設置することができる外壁材など。また、現状の床材の上に設置できるフローリングや階段部材も揃っています。
玄関扉や勝手口扉には、既存の枠の上に取り付けでき、一日程度で工事が終了する商品も充実。窓サッシには、今ある枠にベース材を取り付けることで新しいサッシに交換できるもの、簡単な工事で設置できるシャッターもみられます。
見積もりやスケジュールをしっかり確認。ショールームを利用して
ドアに比べ開閉スペースが約1/2、安全でスムーズな開閉が可能な折戸。室内ドアから折戸への介護リフォームに。1時間~半日の工事で行なえる。[かんたんドアリモ 室内折戸] YKK AP
住みながらのリフォームは、予定通りに工事が進むかどうかで、満足度も変わるもの。リフォーム会社とは、見積もりはもちろん、スケジュールなど、しっかりと契約を交わし、工事期間中の疑問や不安を払拭しておくことが重要でしょう。
また、取り入れる建材や設備機器は、必ずショールームで確認をすること。最近のショールームでは、リフォーム専用のコーナーを設けているケースもあるので、商品の確認だけでなく、プランニングのアイデア、補助金制度など、情報収集のためにも積極的に利用することをお勧めします。
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