内装材は多種多様。塗り壁は湿式工法

内装材は、インテリアのイメージだけでなく、空間の居心地のよさにも大きくかかわるもの。特に壁の仕上げ材は、素材も商品バリエーションも豊富に揃っており、選ぶ際に悩むケースも多いようです。

仕上げ材には、クロス(紙・ビニール・織物など)、塗り壁、木、タイル・石などがあります。施工の工法では、乾式工法と湿式工法に分類することも。クロスや木を接着剤などで仕上げるのが乾式工法、塗り壁は湿式工法となります。

昔の日本の住まいでは、湿式工法が中心に用いられていましたが、現在では乾式工法が主流。しかし、健康や環境への配慮、自然の風合いを持つインテリアの人気などもあって、自然素材などを用いた湿式工法、塗り壁も注目されています。

塗り壁にもさまざまな仕上げや工法が。性能や成分など確認を

本格的な聚楽壁で落ち着いた和室に

本格的な聚楽壁で落ち着いた和室に

塗り壁は、左官屋さんが行う伝統的な工法。さまざまな仕上げや施工方法がありますが、日本の気候・風土にも適応しており、一般的に調湿性・断熱性・防火性・防音性などに優れているといわれています。最近では、さまざまなタイプの塗り壁の商品がメーカーから提案されており、その性能や成分などは多種多様。選ぶ際には、具体的な数値などで比較することも大切でしょう。

また、クロスと異なり仕上がりに継ぎ目が無いというメリットも。刷毛、コテやローラーなどでさまざまな表情を生み出すこともできるので、その味わいに魅力を感じる人も多いようです。

主な塗り壁の種類と特徴

■土もの・土壁  数奇屋建築や茶室にみられる
いわゆる土もの、土壁と呼ばれるものは、土を使用してつくられる左官仕上げの壁の総称で、数奇屋建築や茶室などでみられます。京都にたくさんの色土が産出するので、「京壁」とも言われ、上塗りの土によって、「聚楽壁」「大津壁」「錆壁」など種類があります。

「聚楽壁」は、もともと京都付近に産出する土を用いた仕上げのことでしたが、現在ではきめの細かい砂壁状の仕上げの表面状態を指していることが多いようです。

「大津壁」は、石灰に色土とすさを混ぜたもの。平滑な仕上げ面が漆喰やプラスターに似ていますが、漆喰に比べ黄変などが出にくいのが特徴。大津磨き仕上げは光沢があり、最上級の仕上げと言われています。

■珪藻土(けいそうど)  自然素材として人気に。さまざまな商品がみられる
珪藻土も土壁のひとつですが、自然素材として人気の素材です。海や湖などに生息していた単細胞の植物プランクトンの死骸が堆積して出来た土層から採取されるもので、七輪の材料と言えば、その素材感を想像できるのではないでしょうか。

多孔質である(スポンジのように多くの小さな穴を持つ)ことから、吸湿性、吸放質性、保温性、断熱性に優れる素材。下地などの条件にもよりますが、珪藻土を用いることで、住宅の結露防止にもなると言われています。

メーカーからは、珪藻土を用いたさまざまな商品が提案されています。仕上げパターンや色柄、施工性を高めたもの、石膏ボードに直接塗り付けられるタイプ、クロスの上に塗ることができるものなども。また、珪藻土を基本に、炭や繊維など他の素材を組み合わせたメーカー独自の商品もみられます。それぞれ特徴が異なりますので、早めに設計担当者と相談し選ぶようにしましょう。

■漆喰(しっくい)壁  表面の滑らかさが魅力。白だけでなく色のあるタイプも
漆喰壁は、消石灰に砂と糊などを混ぜて土壁の上に塗るもので、日本独自の塗壁仕上げのこと。城や土蔵などに用いられる仕上げです。下地などの条件にもよりますが、耐久性はもちろん、調湿性、断熱性、防火性、可塑性などに優れています。表面が滑らかなのも特徴でしょう。

最近では、各メーカーからは、性能や色など、さまざまな工夫を施した商品がみられます。たとえば、基本的な漆喰は白色ですが、色土や顔料を加えたものもあり、色のバリエーションを楽しむことも可能に。施工性を高めた商品も多くみられ、通常の塗装やクロス感覚で施工できるものもあります。

■プラスター  西洋漆喰と呼ばれることも
石灰を基材にしたもの。石膏プラスターやドロマイトプラスター塗り(鉱物質の粉末と水を混ぜたもの)などがあります。輝きのある白色が特徴。西洋漆喰と呼ばれることもあります。輸入商品も多く、クロスの上から直接塗装できるタイプなどもみられます。

■繊維壁  最近は用いられることも少ない
パルプや紙繊維、化学繊維などをのりで混ぜて水で練るもの。吸音性や調湿作用、施工性は高いですが、耐久性には劣る部分も。最近は、用いられることが少ないようです。

■砂壁  滑らかな素材感が特徴
なめらかな素材感が特徴。土壁のように和建築に用いられるだけでなく、洋風の空間にあうタイプもあります。

このほか塗り壁には、大理石、陶土などを用いたもの、調湿機能を持つ火山灰を主成分にしたものなどもあり、国産だけでなく輸入品にも多くの商品がみられます。

素材によって施工方法や費用が異なる。早めに見積もりを

塗り壁材には、多くのメーカーから、さまざまな種類、素材が揃っています。特に自然素材といわれる商品は豊富になってきていますが、それぞれの特徴や施工方法、かかる費用なども異なるので、用いる目的や空間、予算も含め早めに設計者に相談し、検討することが大切でしょう。

色合いや模様など、事前に大きめのサンプルで確認を

自然素材の場合、天然素材に近いほど施工が難しく、どうしてもヒビやクラックが入ってしまうことも。施工性を高めた商品も開発されていますが、均一な工業製品とは異なるということを理解した上で選ぶこと。色合いや模様などは、事前に大きめのサンプルなどでチェックして。空間や光によってもイメージが異なるので、できれば、実際の現場で確認する方がいいでしょう。

家族で塗装に挑戦してみることも

プロに任せた美しい仕上げも魅力ですが、用いる素材によっては、家族みんなでわが家の壁を塗ってみる、というのも楽しいものです。条件にもよりますが、施工費を削減できる場合も。メーカー等主催の塗装体験セミナーなども行われていますし、DIYショップやネットショップなどでキットを購入することも可能です。家族で家づくりに関わることで、住まいへの愛着も増すのではないでしょうか。


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