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家のカビ対策!みんながやってる方法トップ10

家の中の悩み事で上位に入る「カビ」問題。カビが発生しやすい場所は湿気の多い部屋、例えば浴室、押入れ、クローゼット、タンスなどの家具の裏、洗濯機の中、窓ガラスなどです。アンケートを元に皆さんは家でどんなカビ対策をしているか見ていきましょう(2018年1月改訂版/初出:2008年12月)

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

みんなのカビ対策は?gooランキング調査

家の中の悩み事といえば、サッシ周りや浴室にこびりついた「カビ」。今回は、gooランキング調査「行ったことがある家の中のカビ対策ランキング」の結果をご紹介しながら、その対策についてガイドが解説してまいります。
 

カビ対策の基本は「換気」

カビ対策の中で最も多かったのが「換気」。下の表を見ていただけるとわかる通り、10項目中7項目に換気対策が入っています(☆マークの項目)。
gooランキング「行ったことがある家の中のカビ対策ランキング」を元にガイドが作成

gooランキング「行ったことがある家の中のカビ対策ランキング」を元にガイドが作成


一昔前までは家の中にカビが発生すると「住まい方の問題だ」と言われがちでしたが、今ではカビの元となる結露の発生は住まいそのものの断熱方法に問題があると考えられています。しかし、水気の多い場所にカビが生えやすいのは事実ですので、皆さんがやっておられるようになるべく換気を心がけて過ごす方がよいでしょう。
 

カビが発生しやすい場所は?

カビは「水気の多い場所」「せっけんカスなどカビのエサのある場所」が要注意です。キッチン、洗面所、浴室、結露のついたサッシ、北に面した壁や押し入れの中などが危険個所です。そんな場所に最適な対策がランキングに最多登場した「換気」です。換気によって空気を循環させ、乾燥させればカビは生えにくくなります。
 

天気がいい日は窓を開ける&換気扇は常に稼働がベスト

比較的新しい家には「24時間換気設備」がついています。もしついていればそれを常に稼働しておきましょう。そしてお天気の良い日は窓も開けて換気しましょう。24時間換気設備がなくても、換気扇を回す、窓を開ける、とにかくこの「換気」こそがカビ対策で一番大切なことです。
 
夜間は防犯上窓は閉め、換気扇は回しておきましょう

夜間は防犯上窓は閉め、換気扇は回しておきましょう


水を使う部屋は窓を開けておく方が早く乾燥しますが、夜間は防犯も考慮して窓を閉め、換気扇を回しっぱなしにするだけでも効果があります。
 

浴室・浴槽のカビ対策

毎日のお風呂掃除、なんとかラクにしたいものです

毎日のお風呂掃除、なんとかラクにしたいものです


水気がたっぷりの浴室のお掃除をラクにするためには、まずは入浴後に窓を開ける、換気扇を回すなど、乾燥させることが大切です。

その他の対策として「入浴後、バスルーム全体を冷水シャワーで冷やす」が4位にランクイン。この方法は、残ったせっけんカスなど「カビの原因」をシャワーで洗い流す効果と、浴室内の温度を下げる効果があります。

ランクには入っていませんが、お風呂の最後にタオルなどで浴室内の水分を拭きあげておく、という人もいました。これをやれればばっちりですが、毎日のこととなると大変ですね。なるべく早く乾くよう、換気扇は常に回しておきましょう。
 

洗濯機もカビ対策を!洗濯槽の裏側は要注意

次に洗濯機のカビ対策を見てみましょう。洗濯機も浴室と同じく、せっけんカスが残りやすく、水分があるのでカビが発生しやすい場所となります。
 
洗濯が終わったらフタを開けて換気を。その際部屋の換気も忘れずに

洗濯が終わったらフタを開けて換気を。その際部屋の換気も忘れずに

洗濯機で手ごわいのは洗濯槽の裏側など見えない部分にカビがつきやすいこと。3位にランクインした「洗濯機を使わない時は、フタを開けておく」を心がけることで、内部の湿気を抜きましょう。

 

洗濯機のカビ対策には溶けやすい洗剤を使う 

洗濯機はフタを開けて乾燥を保つとともに「粉せっけんの溶け残りがない」ようにすることも大切です。新しい機種では少ない水量で洗う節水タイプになっているものが多く、粉せっけんが溶けきらないで残ってしまうこともあるようです。最近では粉石けんよりも溶け残りのない液体洗剤を好む人も増えていますが、うなずけますね。

洗濯機によっては「カビプロテクト」機能がついている製品もあります。洗濯が終了したら洗濯槽内をガガッと乾燥してくれる便利な機能です。カビプロテクトで乾燥した後もしばらくフタを開けておき、洗濯機のある部屋の窓も開けて、換気を行いましょう。

 

押し入れ・クローゼット内のカビ対策

水を直接使う場ではありませんが、押入れ、クローゼットという狭い空間は、扉を閉め切ってしまうと内部の空気が滞留やすい場所です。
 
押入れ・クローゼットの扉はなるべく開けて空気が滞らないようにしましょう。

押入れ・クローゼットの扉はなるべく開けて空気が滞らないようにしましょう。


そんな狭い空間で結露や湿気が発生した時、その水分は逃げ場がなく、その結果カビが生えやすくなります。

押入れの内部のカビ対策には「押し入れにすのこを敷く」(5位)、「押し入れの扉を開けておく」(6位)がランクインしていますが、いずれも空気を循環させるために有効な対策です。
 

家具の裏側のカビ対策

家具の裏のカビ対策として「家具と壁の間に隙間をつくる」が10位にランクイン。
 
タンスと壁の間には少し隙間をあけ、風が通るようにしましょう

タンスと壁の間には少し隙間をあけ、風が通るようにしましょう


家具を壁際ぴったりにおいてしまうと家具と壁の間の空気が流れず、もし結露が発生したら、カビが生える可能性があります。家具の裏側は普段見えない場所ですが、家具の移動をしてびっくりすることがあります。家具を置くときは壁のと間に少し隙間を開けておき、またなるべくならタンスは北向きの外気と接する壁側には置かないようにしましょう。

 

窓ガラスのカビ対策

昔から、日本の住まいでは窓ガラスに結露はつきものでした。明け方結露でびっしり濡れた窓は「なんとなく当たり前の光景」でありましたが、その結露がカビの元になり、そのカビが健康に害を与える可能性があることや、住まいそのものを傷める原因であることがわかっています。
 
窓についた水滴を毎朝ふきあげるのはかなりの重労働。結露がつきにくい窓の採用を検討したい

窓についた水滴を毎朝ふきあげるのはかなりの重労働。結露がつきにくい窓の採用を検討したい


その対策として「結露が起きている窓ガラスはこまめにふき取る」が9位にランクイン。結露の量が多いと雑巾で拭くとすぐびしょびしょになってしまいますが、ホームセンターなどで手軽に水滴が取れる「水滴ワイパー」も売っていますので、そのような道具を上手に利用してみてください。
 

窓の対策には光熱費削減もできる断熱剤サッシで結露を防ぐ!

今ではペアガラスや樹脂サッシなど、結露が起こりにくいサッシが出ているので、思い切って交換するのも一つの方法です。そのような高性能断熱サッシは、窓から失う熱エネルギーが減るので光熱費の削減にもつながります。

サッシを交換できない場合は室内側にもう一枚窓ガラスをつけて二重サッシにすると結露防止になります。簡単なリフォームですが効果は抜群です。詳しくは下記の記事でもご紹介しているのでぜひご覧になってください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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