住宅設計・間取り/キッチン・洗面・寝室・子供部屋の間取り

施主と建築家がこだわった階段のあり方 遊び心のある住まい(3ページ目)

「階段」は上下の連絡という役割だけに必要なのでしょうか?施主のこだわりが生み出した「階段」の活用プランをご紹介します。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド


こだわりは他にもある。2階全体がワンルームのようになっているため、音が遮断されない。この空間にこだわりのスピーカーを設置し、2階全体をオーディオルームとして贅沢に活用している。また、誰しも時には一人になりたいものであるが、そのための空間=書斎も確保した。ダイニングの反対側(ダイニングからはオブジェの陰になる)、3畳の和の空間である。へりなしの畳、障子風にあしらったガラスの引き戸、和紙の壁紙など、ここには自然な雰囲気を作りあげるための素材を用いた。この自然な雰囲気に身をおくことで、心は落ち着き、読書や思慮にふけるなど、ただ自分だけの時間を演出することができる。わずか3畳ではあるが、このこだわりのスペースは、大きなエネルギーを生み出すための空間となっているのだ。

計画するにあたって、設計段階から建築家との細かな打合せを行いコミュニケーションを緊密に保ち、それぞれの考え方を話し合い、スペースの割り振り、予算、将来のことなど全てが予定通りとすることができた。

この家を訪れた人は室内の広い空間に驚き、皆一様に「外から見るよりもずいぶん大きい家だね」との感想を持たれる。ご夫婦はその言葉を笑いながら聞いているとのこと。また、建築デザインは資産価値として捉えており、その点でも満足していただいている。

建築とは、生き方の表現である。どんなこだわりをもって空間と共に過ごしていくのか・・・住まう側には明確なビジョンが求められる。こだわりがあるからこそ、そこに快適性や満足感が生まれるのであり、工夫して住もうとするのである。

それがライフスタイルというものである。



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