豊かな心を持つ子供に育てたければ「壁(間仕切り)」は無用!?

ほふくルーム
畳を用い、ハイハイができるよう工夫した保育園(岩手県 虹の保育園/設計:佐川 旭)
一般的に脳が形成される乳幼児期の成長段階において、大切だと思われるポイントは3つあると言われています。

■母親との愛情豊かで、密接な関係をつくる
■豊かな言語環境をつくる
■ハイハイを十分にさせる

ですが、3つ目の「ハイハイを十分にさせる」ことに関して、中には危険を回避するという意味で赤ちゃんをベビーサークルに入れるお母さんも少なくないでしょう。しかし危険を回避できたとしても、子供が両腕をめいいっぱい動かすことが難しい状況をつくり出しています。これは心身の発達にはあまりよくありません。実を言うと、同じようなことが家づくりにも言えるのです。

日本の古代の住居、例えば登呂遺跡で見られるような住居を見ると、「壁」という考え方が本来存在しなかったことがわかります。地面を掘り下げ、そこから屋根をかけた円すいの形をした家です。「壁は影をつくる」という考え方もあったようで、家の中に壁を作らないことでそれは「影をつくらない」という自然の神への謙虚な姿勢や思いやりであるとも言われます。壁は人の心に深く関係し、あり方によって私たちが感じる意味合いが違ってきます。

日本の家は一般的に壁が多く、所狭しと家具が並べられ、あまり使われない客間としての和室があります。壁やさえぎるものがなければ、人は顔を合わせ、言葉を交わします。会話を交わすことで顔に表情が生まれます。そしてその表情から相手は様々な事を読み取り、相手を思いやったりするものです。そこから豊かな言葉を発し、豊かな心が構築されていくのです!


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