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3,000万円特別控除のポイント

一定の要件を満たす自宅を売却したときは、3,000万円までの利益に対して課税をしない制度があります。この特別控除がどのようなものなのか、主なポイントを知っておきましょう。(2017年改訂版、初出:2003年8月)

執筆者:平野 雅之

【ガイドの不動産売買基礎講座 No.65】

自分が住んでいる家や土地(居住用財産)を売却したとき、一定の要件を満たせば3,000万円までの利益に対して税金はかかりません。

現在では売却によって多額の利益が生じるケースはそれほど多くないものの、地価が値上がりしている地域や、古くから所有している住宅、相続を受けて住んでいた住宅などで「3,000万円特別控除」を活用する機会は少なからずありそうです。

それでは、 「3,000万円特別控除」がどのような場合に適用できるのか、主なポイントを確認しておくことにしましょう。なお、制度について詳しくは ≪マイホームの売却と3,000万円の特別控除≫ をご参照ください。


3,000万円特別控除の主な要件

3,000万円特別控除の適用を受けるための主な要件は次のとおりです。

現に自分(所有者)が住んでいる家屋とその敷地(借地権を含む)を売却したこと
売却した相手が配偶者や直系血族、同居する親族、生計を一にする親族、内縁関係者、特殊な関係のある法人など「特別な関係者」ではないこと
所有期間の長短は問わない
売却した年の、前年および前々年に同じ特例、または居住用財産にかかる他の特例、収用等の場合の特別控除など他の特例(一部を除く)を受けていないこと(3年に1度までの適用)


3,000万円特別控除の主な注意点

自宅を2か所以上所有している場合には、そのうち自分が主として住んでいるほうだけがこの特例の対象となり、別荘や別宅などの売却には適用することができません。

また、所有期間の長短は問われませんが、仮住まいの場合やこの特例を受ける目的のみで入居したと判断される場合も、適用は受けられないことになっています。

なお、単身赴任などで所有者本人が配偶者など家族と別れて暮らしている場合には、本人が住んでいない住宅でも配偶者などが住んでいれば対象になります。

所有者本人が住んでいることが条件ですが、住まなくなってから3年以内(3年を経過した年の12月31日まで)に売却すれば特例を受けることができます。その間の建物は第三者に貸していても構いません。

ただし、災害などによる滅失以外の理由で建物を取り壊した場合には、住まなくなってから3年以内であるのと同時に、取り壊しから1年以内に売却の契約を締結すること、および取り壊した後の敷地を貸付けその他の目的に使用していないことが要件です。

買換えの特例とは違い、売却後にどうしたのかは問われません。自宅を売却した後に賃貸住宅へ入居していても大丈夫です。

建物の所有者と敷地の所有者が同じでなくても、生計を一にして同居する親族(親と子、夫と妻など)であればこの特例を受けることができます。建物と土地がともに夫婦の共有などになっていれば、それぞれにこの特例を適用し、最大で6,000万円まで控除を受けることも可能です。

なお、上記以外にも細かな要件などがありますから、通常の売却と異なる部分があるときには、事前にしっかりと確認するようにしてください。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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