住宅を購入するとき、あるいは売却するときに仲介(媒介)をする不動産業者を選ぶことは、簡単なようでなかなか難しい面もあるようです。
(大阪府大阪市 匿名 40代 男性)
新築物件の場合(とくにマンションの場合)には、「物件を選ぶこと=業者を選ぶこと」のケースが多く、あまり選択の余地はないでしょう。ところが、中古物件の場合はどの仲介業者でもほぼ同じ物件情報を共有しているため、考え方によっては好きな業者を選び放題です。
しかし、あまり深く考えずに成行きで仲介業者を選んでしまうと、そこにどんな落とし穴が隠れているか分かりません。
インターネットの普及により情報と選択肢が増えた反面で、業者選びに悩むことも多くなった!?
その物件情報がひとつの仲介業者から出されていれば、基本的にはその業者に問い合わせをすることになりますが、同じ物件情報が複数の業者から出されているときには、いくつかの方法が考えられます。
1.そのなかで最も大きな仲介業者または有名な仲介業者に問い合わせる
2.そのなかで最も物件の近くに所在する仲介業者に問い合わせる
3.売主から直接依頼を受けていると思われる仲介業者に問い合わせる
4.とりあえずすべての仲介業者に問い合わせる
これらのうち、どれがいちばんよいと考えますか?
まず、大手業者または有名業者が「良い仲介業者」であるとはかぎりません。これについては後ほど改めて説明することにしましょう。
次に、物件の地元業者の場合、それが物件所在地にたいへん近いのであればその物件について精通している可能性も高いでしょう。しかし、中途半端に近い程度ならエリアの情報には詳しくても、その物件について他よりも詳しいかどうか分かりません。
さらに、売主から直接依頼を受けている仲介業者の場合、もともとは売主側の業者なわけですから、売主の利益と買主の利益が反する部分について、どのように対応するか不安が残ります。
そう考えると、少し回り道のように感じるでしょうが、とりあえずすべての仲介業者に問い合わせをしてみたうえで見極めるのがよいのかもしれません。
このとき、単に「物件を見せて欲しい」と連絡をするのではなく、物件情報には書かれていない部分についていくつか同じ質問をし、その回答内容や対応方法を比べてみるとよいでしょう。WEB上の物件情報であれば、メールを使って同じ文面の問い合わせをしても構いません。
ただし、結果的に依頼をしない相手先には、きちんと断りのメールを送るようにしてください。そうしないと不必要な営業メールや電話に悩まされることにもなりかねません。なお、このようなときには個人情報保護法の活用もできます。
さて、それでは大手仲介業者の場合にどのような問題が潜んでいるのでしょうか? 一般的に考えれば大手業者のほうが社員教育も行き届き、実務知識も豊富で、強引な営業はせずにユーザー本位の対応をしてくれそうです。ところが実際にはそうでないケースも……。
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