住宅購入の費用・税金/住宅ローンのしくみと選び方

必読!住宅ローン控除適用のケーススタディ(2ページ目)

住宅ローン控除の解説を読んでみても、一人ひとりのおかれた立場によって、実際にはどうなるのかよく分からない場面も多いでしょう。また、控除が適用される10年の間には、身のまわりでさまざまな変化も起きます。想定されるいくつかのケースをもとに、住宅ローン控除適用の可否や注意すべきポイントなどをまとめました。(2017年改定版、初出:2005年10月)

執筆者:平野 雅之


住宅ローンとは別に住宅取得資金の贈与を受けたとき

親などから住宅取得資金の贈与を受け、残りの資金を住宅ローンでまかなうのは比較的多いケースでしょう。このようなとき、実際には贈与分を諸費用などに充てて、住宅代金には使わなかったとしても、税務上は「贈与分を住宅取得資金に優先的に充当」して計算します。

たとえば、親などから贈与を受けた金額が1,000万円、住宅ローンの借入れ額が3,000万円、住宅購入額が3,500万円だったとした場合、住宅購入額(3,500万円)から贈与額(1,000万円)を差し引いた2,500万円が住宅ローン控除対象の上限額となります。

ただし、贈与を受けた資金について「住宅取得資金等贈与の特例」などの適用を受けないのであればそのかぎりではありません。


オーバーローンを組んだとき

あまり勧められることではありませんが、購入額以上の住宅ローンを借りるケースがあります。たとえば、3,500万円で住宅を購入するときに4,000万円の借入れをするような場合です。

このようなとき、金融機関による年末残高等証明書の金額が4,000万円近い金額になっていたとしても、住宅ローン控除の対象になるのは3,500万円が上限となります。あくまでも住宅の購入金額などが上限であり、それを超えることはできません。


繰上返済によって返済期間の短縮をしたとき

繰上返済によって住宅ローンの返済開始当初からの通算返済期間が10年未満になると、その年からは住宅ローン控除の適用を受けることができなくなります。

〔これまで返済した年月+残りの返済年月〕の合計が10年以上になるかどうかぎりぎりの場合には、繰上返済による利息軽減のメリットと、住宅ローン控除継続による所得税還付のメリットを詳細にシミュレーションして、どちらが有利になるのかをよく検討することが欠かせません。


年末に一部繰上返済をしたとき

給与所得者が2年目以降の住宅ローン控除を年末調整で受ける場合、年末残高の予定額をもとに計算をすることになります。

年末が近付いてから一部繰上返済などをして、予定額と実際の年末残高に違いが生じたときは、金融機関から再度、正しい金額の年末残高証明書を発行してもらい、それによって年末調整を再計算してもらうか、もしくは自分で確定申告をすることにより処理しなければなりません。


住宅ローンを借り換えたとき

従来の住宅ローンから金利の低い住宅ローンに借り換えたような場合、「新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等を返済するためのものであることが明らかであること」および「新しい住宅ローンの返済期間が10年以上であることなど、住宅ローン控除の対象となる要件を備えていること」の2つの要件を満たせば、新しい住宅ローンについて住宅ローン控除を受けられます。

ただし、新しい住宅ローンの当初借入れ金額が借り換え前の従来の住宅ローン残高よりも多い場合には、一定の計算式により対象となる年末残高が減額されます。また、入居した年からの控除適用期間が延長されるわけではありません。

なお、住宅ローン控除の要件を満たさない借入金などから、住宅ローン控除制度の対象となる住宅ローンへの借り換えも認められています。



妻が夫の連帯保証人となったとき
夫と妻がお互いに連帯債務者となったとき
連帯債務者の妻が仕事を辞めたとき
住宅ローンとは別に住宅取得資金の贈与を受けたとき
オーバーローンを組んだとき
繰上返済によって返済期間の短縮をしたとき
年末に一部繰上返済をしたとき
住宅ローンを借り換えたとき
勤務先の会社が所有していた住宅などを安価に譲り受けたとき
土地を先行取得してから建物を新築したとき
定期借地権による住宅を購入し、保証金を支払ったとき
転勤により本人が住まなくなったとき
いったん住まなくなった住宅に再入居したとき
日本へ帰任する予定で住宅を購入したとき
住宅ローン控除適用中の住宅を増改築したとき
親の家を増改築し、その費用を子が負担したとき
店舗付住宅、事務所併用住宅を取得または増改築したとき
セカンドハウスを購入したとき
住宅ローン控除の適用期間中に年収が3,000万円を超えたとき
住宅ローン控除を受けていた本人が亡くなってしまったとき、災害のとき

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