土地価格の動きや住宅の相場、マンションの供給動向、あるいは都市計画など、不動産について理解を深めるためには、その背景にある都市の姿を知っておくことが役立ちます。
ところが、漠然と「東京23区は大阪市よりちょっと大きいくらい」とか、首都圏であれば「さいたま市と千葉市と横浜市は、だいたい同じくらいの大きさだろう」と感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、東京23区と主な都市の人口や面積、政令指定都市、中核市、市町村の規模による違いなどをまとめてみました。
人口は東京特別区が突出しているが……
まず初めに、東京特別区(23区)と政令指定都市の人口を比べてみましょう。東京特別区の人口が突出している一方で、意外に感じるかもしれませんが、大阪市よりも横浜市のほうが人口はだいぶ多いのです。また、東京特別区のなかでも世田谷区や練馬区、大田区は、単独で政令指定都市に匹敵する人口となっています。
人口を都道府県別にみると、東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、千葉県の上位6都府県の合計で、全国人口の4割超を占めています。
また、名古屋市よりも人口が多いのは、(多い順に)東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、千葉県、兵庫県、北海道、福岡県、静岡県、茨城県、広島県、京都府、新潟県、宮城県の15都道府県だけです。
残る32県は、県人口が名古屋市の人口よりも少なく、日本の人口や住宅がいかに大都市へ集中しているかが分かるでしょう。なかでも都道府県別人口が最も少ないのは鳥取県の約57万人、次いで島根県の約69万人で、いずれも上表の各都市を下回っています。
意外とコンパクトな大阪市、イメージより大きな横浜市
続いて、東京特別区と人口上位3つの政令指定都市の面積を比べてみましょう。それぞれの面積の割合を円で表すと次のようになります。
さらに、それぞれの都市を同一縮尺の地図にすると次のようになりました。
大阪市には24区があり、東京23区と同じくらい大きなイメージをもつ人もいるようですが、実は東京都世田谷区、練馬区、大田区、足立区の4つを足せば面積は大阪市とおおよそ同じくらいの規模となり、4区の人口合計は大阪市を大きく上回るのです。
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