若松均さんの“力”を感じさせる家
続いて、「意匠街」のもっとも奥まった場所にある若松均さんの大窓の家をご紹介しましょう。こちらはなんと5層からなる、“家の力”を感じさせる住宅です。「意匠街」の4軒のうち、この家だけがL型敷地なため、若松さんは駐車スペースを1台分にして住空間に広さを確保し、奥まった場所ならではの静かで独自性のある住まいを実現しました。
まずは外観ですが、駐車場にはトビラを付けず、風の通り道になっています。そしてその上に大きなガラス面の開口部を持つ2階のフロアが出っ張ってきています。さらにその上はどうやらルーフバルコニーのよう。建築家でなければできないユニークな表情の家ですねー。
エントランスはきわめて普通。どこかアパートの部屋に入る感覚さえあります。ところが一歩中に入ると、そこにはアパートならぬ、先端的なデザインをはっきりと意識した空間が広がっています。
1階は石タイルのエントランスホールと階段室を中心に2つの個室がありますが、家の中軸ともいえる階段室がコンクリートの表情を見せているためか、やや閉ざされた印象。この印象は地下まで続きますが、地下には主寝室と一段高くなったバスルームがあり、ここまでが「プライベート空間」という設定であるのがわかります。