育児休業取得、マネープランへの影響は?
育児休業を取ることによる家計への影響は?
■育児休業に雇用保険からもらえるお金
●育児休業基本給付金と育児休業者職場復帰給付金は一本化
平成22年3月31日以前に育児休業を取得開始した場合、育児休業基本給付金が休業開始時の賃金日額に対して30%が育児休業期間中に支払われ、職場復帰後6ヶ月勤務を続けた場合、更に育児休業開始時の賃金日額に対して20%が育児休業による支給対象日数分、一時金として支払われます。
育児休業期間中に支給される育児休業基本給付金と職場復帰後に一時金として支給される育児休業者職場復帰給付金は、平成22年4月1日以降に育児休業を取得開始した場合は、「育児休業給付金」に一本化されて支給されます。
●育児休業給付金の給付率は5割!
平成22年4月1日以降、育児休業を取得開始した場合、育児休業給付金が、休業開始時の賃金日額に対して50%が育児休業期間中に支払われます。給付率は本来40%ですが、平成22年3月31日までとされていた給付率の引き上げ(40%→50%)は、当分の間延長されます。夫婦が揃って育児休業を取得した場合は、夫婦それぞれに育児休業給付金が支給されます。
育児休業給付金が支給されるといっても給付率は最大5割なので、住宅ローンの返済負担の多い世帯では、金銭的な理由から育児休業の取得が難しくなる可能性があります。子どもをしっかり育てるための大切な育児休業の期間をしっかり取りたいという場合、休業期間中の収入減少もしっかりマネープランに入れる必要があるでしょう。
■育児休業取得によるボーナスや退職金への影響は?
育児休業を取得した場合、ボーナスや退職金への影響が心配です。 前出の「平成20年度雇用均等基本調査」から、一般的な企業はどのように取り扱っているか見てみましょう。
●ボーナスへの影響
ボーナスの制度がある企業のうち、育児休業を取得した者に対する賞与算定について、「出勤日数又は休業期間に応じて支給する」が70.8%で大半を占め、「休業期間中も休まなかったものとみなして支給する」は3.9%でした。育児休業を取得することによってボーナスが少なくなるのが一般的なようです。
●退職金への影響
退職金は、勤続年数に応じて支給する企業が一般的ですが、育児休職期間中の勤続年数に関する取り扱いは、「休業期間中も勤続年数に算入する」は28.8%で約3割、「勤続年数に全く算入しない」は36.3%となっています。やはり、育児休業を取得したことによって、退職金も減らされてしまうのが一般的なようです。
●育児休業を取得する前に、会社に確認しましょう
育児休業を取ったことによるボーナスや退職金への影響について、個々の企業によって取り扱いに差があると思います。ボーナスが予定していた金額よりも少なくて困るということがないように、ボーナスや退職金、定期昇給などの取り扱いについて、育児休業を取得する前にきちんと確認しておいた方が良いでしょう。
■職場復帰後の待遇が心配!?
育児休業を取ったことによる待遇はどうなるのでしょうか? 復職後の職場・職種の取扱いについて、「原則として、原職又は原職相当職に復職する」が70.5%と最も多く、「本人の希望を考慮し、会社が決定する」が19.6%、「会社の人事管理等の都合により決定する」が9.0%となっています。
法律によって、育児休業を取得した従業員に対して、不利益な待遇をしてはならないと定められています。そうは言っても、将来の昇進などに影響すると考える人はまだまだ多いし、実際にも同期よりも昇進が遅れたという話も聞いたりします。
●父親の育児休業期間は短い!?
父親の育児休業取得率はわずか1.23%ということは既に書きましたが、育児休業の期間はどのくらいなのでしょうか? 母親の場合、育児休業期間を6ヶ月以上取得した人は75.7%であるのに対し、父親はわずかに2.3%。実は、1ヶ月未満という人が54.1%で父親の育児休業取得者の過半数となっています。
取得時間別育児休業後復職者割合
有給の繰越制度のある会社の場合は、有給を使って1ヶ月程度の期間を子育てに充てるというケースもあるでしょう。そのようなケースは、上記のグラフには含めれていませんが、いずれにしても、夫婦でそろってある程度の期間育児休業を取って、子育てに専念するというケースは少ないのかもしれません。
>>夫婦で育児休業を取るには……