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上下2段のサイクロンが目玉!日立の新しいクリーナー

遠心分離サイクロンを搭載した、日立の新しい掃除機「日立・2段ブーストサイクロン」をガイドがお試し!使い勝手や集じんパワーについてご報告します。

執筆者:戸井田 園子

日立・2段ブーストサイクロン【CV-RS3100】

日立・2段ブーストサイクロン【CV-RS3100】

サイクロン式掃除機の最近のトレンドは「遠心分離」を取り入れたサイクロン式。以前は、Dysonとシャープだけがこの方式を採用していましたが、遠心分離によりゴミと排気をしっかり分けるのが「本格サイクロン」という風潮を受け、次々と新製品が発売されました。

今回はそんな、遠心分離サイクロン搭載機種から、2009年秋発売の「日立・2段ブーストサイクロン」の使用リポートをお届けします。

 

新機構「2段ブーストサイクロン」とは

「2段ブーストサイクロン」イメージ図(※画像:メーカーサイトより)

「2段ブーストサイクロン」イメージ図(※画像:メーカーサイトより)

日立の新しいクリーナー「2段ブーストサイクロン」は、その名のごとく「2段」の「加速された竜巻」という意味。ダストカップ部分が上下2段に分かれ、それぞれに空気の流れが異なります。

下のサイクロン室では、空気の流れを加速して竜巻状の風を起こし、ゴミと空気を遠心分離します。分離されたゴミは上にあるダストケースに行き、空気はダストケース入り口でさらに加速され、ダストカップ内を通過して出ていきます。

このように、上下2段のサイクロンにより、ゴミと空気をしっかり分離。また、加速された空気が、ダストカップにたまったゴミを圧縮することで、より多くのゴミを溜めることが可能になっているとか。それでは、実際に使ってみましょう!

 

独自のノズルで隅々までホコリをキャッチ!

まずはノズルの使い勝手から。たかがノズル、されどノズル。ノズルの使い易さで掃除のストレスは大きく変わります。以前から、ノズルには定評のある日立ですが、その使い勝手の良さは、なかなかのものでした。では、独自の機能をご紹介しましょう。

■ワイド曲が~るノズル
角度が変えられる長い柄の先端に、幅広のブラシがついた「ワイド曲が~るノズル」

角度が変えられる長い柄の先端に、幅広のブラシがついた「ワイド曲が~るノズル」

見た目、ちょっと個性的なこのノズル。ブラシ付きでそこそこ幅のあるノズルで角度が自由に変わるため、とても使いやすいものでした。では、その活躍の様子をどうぞ~!
 
サッシ枠のように細かい凹凸があるところでも、ホコリをしっかり吸いこみます!

サッシ枠のように細かい凹凸があるところでも、ホコリをしっかり吸いこみます!

例えば、サッシの枠。ノズルの幅が枠にジャストフィット! さらに、ブラシ付きのため、細かな溝のホコリもかき出してくれます。また角度が変えられるため、いろんな向きで吸うことが可能です。
 
オーディオボードなどの上に積りがちなホコリも、ブラシ付きなのでやさしく吸えます

オーディオボードなどの上に積りがちなホコリも、ブラシ付きなのでやさしく吸えます

次に、家具周りで使用。足元に近いオーディオスペースですが、家具の上に積りがちなホコリも、ブラシで優しく集めながらしっかり吸引。よくある斜めカットの隙間ノズルだと、傷が付きそうで心配ですが、これなら安心して使えました。
 
椅子の脚など細かな部分のホコリも、ブラシでしっかりかき集めてくれました

椅子の脚など細かな部分のホコリも、ブラシでしっかりかき集めてくれました

もっとも便利だと感じたのが、ダイニングチェアやテーブルの脚周り。脚の周囲にまとわりつくホコリは強敵。椅子4脚とテーブルの脚4本で、合計20本もあり、ガイドはこの掃除が本当に大嫌い! でもこのブラシ付きのノズルなら、ぐるり360度しっかりキレイにしてくれました~♪
 
家具と床の隙間にノズルを入れて掃除をしているところ。この薄さが便利!

家具と床の隙間にノズルを入れて掃除をしているところ。この薄さが便利!

さらに、このノズルの良い点は、ノズルの幅はあるけれど厚みは隙間ノズルと同じくらいであること。いつもはハンディモップなどでホコリを集めていた家具と床の薄い隙間にも、横に使えば入るため、ブラシでしっかり掃除ができました。これは本当にスッキリ! 
 
コード周りに溜まりがちなホコリも、このノズルなら吸いこむことなく難なくクリア

コード周りに溜まりがちなホコリも、このノズルなら吸いこむことなく難なくクリア

また、部屋の中には空気清浄機や加湿器など、電気コードがあるモノもたくさんあります。そんなコードに溜まりがちな綿ホコリも、ブラシ付きなのでコードを吸いこまずにホコリだけをキレイに吸いこみます。些細なことですが、手間がかからないと本当にうれしく感じます。
 
ガイドは、広い床部分以外は、ほとんどこのノズルを使うほど、形状・サイズともに非常に使いやすいと感じました。まさに、こういうノズルを待ってました~と言える、絶品ノズルでした!


■電動布団ノズル
こちらも、独自の機構をもっているノズル。ノズル裏にあるボードが、バタバタと布団を叩きながら吸うため、敷布団や掛け布団などの内部に残ったダニの死骸やホコリまでしっかり吸えるのが人気。スイッチを入れると、確かに「バタバタ」と布団を叩いているのが分かります。
 
布団ノズルは、ソファの座面や背にも重宝します

布団ノズルは、ソファの座面や背にも重宝します

このノズル、布団だけでなくソファやクッションにも最適。ソファやクッションは、ゴロンと横になったり膝の上で抱えたりと、常に肌に触れるものなので、掃除のついでに、バタバタと布製品に掃除機をすけると、よりスッキリした気分になります。
 
■T字ノズルとパワーモニター
09年モデルのT字ノズルは、吸いこみ幅・約29cmと、08年モデルより約7cm広くなっています。一度にたくさんの面積が吸えるのはありがたいことですが、使っていて「おぉ」というほど、大きな変化は感じませんでした。ちなみに、ノズル幅が大きくなると、入り込めない部分も出てくるため「大きい=良い」ではなく、好みの範疇だと感じました。
 
T字ノズル付け根にあるリング状の光が、3色で運転パワーをお知らせします(※画像:メーカーサイトより)

T字ノズル付け根にあるリング状の光が、3色で運転パワーをお知らせします(※画像:メーカーサイトより)

また、T字ノズルの根元には、リング状のランプが点灯し、パワーの識別ができます。しかし、ゴミに反応しているセンサーではなく、あくまでブラシの回転速度による識別。したがって、ゴミが無くなったか否かのサインではないので、ご注意を。

運転モードには「強・中・弱」の他に「これっきりボタン」という自動モードがあります。このモードで運転すると、センサーが床質を感知してパワーを自動でコントロールするため、省エネになります。常に「強」モードで運転するより、最大約75%も節電になるとか。基本はこのモードで掃除するのが、おすすめでしょう。

 

本体のサイズが大きく、小回りはやや苦手

キッチンのように細長い場所での回転はやや不便。もう少し本体が小さいとベストか?

キッチンのように細長い場所での回転はやや不便。もう少し本体が小さいとベストか?

本体サイズはやや大きめ。そのため、若干動かしにくいと感じることも……。例えば、キッチンのように細長い空間へ侵入した場合、奥まで掃除し終わると、出口に向かって戻ります。

もちろん本体は360度回転するので、向きを変えることは可能なのですが、ホースのでっぱり分や、自分が通るスペースなどを含めると、掃除機をまたぎ、ホースをひっぱりながら向きを変えるということに。

しかし、この程度の空きスペースだと、容易にクルンと向きが変えられるという感じではなく、足で軽く押しながらバックさせることも、しばしば……。

ガイド宅のキッチンと食器棚の間は、約75cm。決して広くはありませんが、とても狭いというレベルでは無いはず。やはり、もう少し本体が小さい方が小回りがきいて扱いやすくなると感じます。次回に期待!

 

集じん力&お手入れ

では最後に、集じん結果とお手入れについて。ゴミ捨てサインが出ないこともあり、ダストケースがいっぱいになっても吸い続けていましたが、感覚的には、集じんパワーが落ちたと感じることはありませんでした。では、実際にダストボックス内にたまったホコリをみてみましょう。

■ゴミ捨て
赤い矢印部分からダストケースのゴミが確認できますが、「ごみすてライン」は、ダストケースを取り外さないと確認しにくい

赤い矢印部分からダストケースのゴミが確認できますが、「ごみすてライン」は、ダストケースを取り外さないと確認しにくい

この機種の場合、ダストケースの「ごみすてライン」を確認し、過ぎていたらゴミ捨てをするという仕組み。

外側からはこのラインが見にくいため、ダストケースを外さないとなりません。ゴミ捨てのタイミングに何らかのサインがでる機種も多い中、目視で確認するため、やや面倒と感じました。
 
ダストケースからゴミがはみ出してしまいました! これでも違和感なく吸い続けていたクリーナーのパワーはスゴイかも?

ダストケースからゴミがはみ出してしまいました! これでも違和感なく吸い続けていたクリーナーのパワーはスゴイかも?

ということで、吸うだけ吸わせてしまったガイド。ダストケースには、かなりゴミがたまっていました~。

ダストカップの口からゴミがはみ出していますが、こんなになるまでゴミを貯めてはいけません。しかし、このゴミの量から察するところ、集塵パワーはかなりあると判断してイイでしょう。
 
ダストケースの形に圧縮されたホコリの塊。舞い上がりは限りなく少ないのも魅力

ダストケースの形に圧縮されたホコリの塊。舞い上がりは限りなく少ないのも魅力

ダストケースを取り外ずしてフタを開けると、中にあるカゴからホコリがパカッと飛び出します。圧縮されているため、ホコリの舞い上がりは限りなく軽減されていました。これも、ブーストサイクロンの成果でしょう。これなら、ゴミ捨てもかなり楽だと感じます。
 

■ダストケースの手入れ
ダストケース内にあるメッシュのカゴは、付属のブラシでお手入れ

ダストケース内にあるメッシュのカゴは、付属のブラシでお手入れ

ダストケース内にあるカゴは、メッシュが細かいので、そんなにホコリも残っていません。付属のブラシでチョチョっとホコリを取り除けば手入れは終了。大した手間ではありませんでした。
 

■フィルター部分の手入れ
ダストケース裏側に付いている「クリーンフィルター」は、付属ブラシの柄でカタカタとこすります

ダストケース裏側に付いている「クリーンフィルター」は、付属ブラシの柄でカタカタとこすります

ダストケース側面にある、蛇腹のフィルターも手入れが必要です。こちらは、付属のブラシの柄で、外側からヒダヒダの部分をカタカタカタとこすると、ヒダとヒダの間にはまっていたホコリが面白いように取れます。
 
「クリーンフィルター」のホコリを落とすと、結構な量です!

「クリーンフィルター」のホコリを落とすと、結構な量です!

クリーンフィルターには、結構たくさんのホコリが溜まっていました。あとは、落ちたホコリを捨てればOK。ダストケースの中にホコリが溜まるので、大きなビニール袋の中でケースを振り、取れたホコリを処理すると良いでしょう。また、必要に応じて水洗いもできますので、いつまでも清潔にしておけます。
 
ダストケースにティシュを挟むことが可能。これによりフィルターの手入れは軽減されます

ダストケースにティシュを挟むことが可能。これによりフィルターの手入れは軽減されます

ダストケースには、ティッシュを挟むことが可能です。これにより、フィルターの手入れは軽減されます。ティッシュのセット自体は簡単ですが、ティッシュがダストケースからはみ出るのが少々格好が悪い気も……。

しかし、フィルターにたまったホコリの量から察するところ、遠心分離によりゴミと排気を分離しているということですが、フィルターでもかなりのホコリをキャッチしていると感じます。

フィルターのメンテナンスを怠ると、吸引力は低下しますので、ティッシュの使用をおすすめします。

 
■サイクロン室の手入れ
サイクロン室内部の内筒フィルターは、ホコリを取り除いて水洗いすればOK

サイクロン室内部の内筒フィルターは、ホコリを取り除いて水洗いすればOK

本体のランプが赤点滅した時がお手入れ時。ダストケースの下にあるサイクロン室は簡単に外せますので、ケースごと外して、内筒フィルターを取り外し、ホコリを取り除いて水洗いすればOK。

今回は、ごみすてラインを越えて吸い続けたため、サイクロン室にゴミが入っていたようです。こまめにゴミ捨てをしていれば、頻繁に手入れをする必要はなさそうです。  

ガイドの結論~キレイ好きには満足度の高い一台!

集じん力・使い勝手など含め、総じてレベルの高い印象の掃除機。特に、多彩なノズルは絶品! また、ゴミ捨てもホコリの舞い上がりなどサイクロン特有の問題点もかなり軽減されていますし、排気のキレイさも高い水準を維持。床だけでなく、部屋の隅々から布団、室内の空気に至るまで、とことんキレイにしたい人には、おすすめの一台でしょう。

一方気になるのは、本体サイズ。コンパクトタイプが増えている昨今、本体が若干大きいと感じます。また、ダストケースが見えるデザインなのですが、外から見る限り、ホコリと空気が分離して旋回するなど、ケース内部の様子は見られないため、2段ブーストサイクロンの効果が実感しにくいのも残念。内部のゴミが見えるのはイヤという人もいますが、せっかくなので目で見て実感できると、より納得でると感じました。
 
CV-RS3100

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