結婚式のゲスト(招待客)の変遷

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両家に関わる人々の交流の場でもあった披露宴
古くから、日本において、挙式は身内だけで行うものであり、披露宴は名前の通り新郎新婦のお披露目の場として、幅広い人たちを呼んで行われていました。古くは、披露宴は多くの地域で3日3晩も行われていたくらいで、どちらかといえば、挙式よりも披露宴を重んじる傾向も強かったのです。

特に、終身雇用が一般的だった時代においては、上司や同僚を招待して、新婦を紹介し、家族ともどもよろしくという意味合いが込められていたり、ご近所さんや親の関係者などを招待して、そのコミュニティに加わる挨拶に代えたりするのが一般的でした。

また、仲人を立てるのがごくごく一般的でした。本来は親がなくなってから、本当の親のように面倒を見るのが仲人の役割。会社の上司や、地域や親戚内での有力者など、より地位の高い人に仲人を依頼し、その先の仕事などでの引き立ても含めて、バックボーンを得る意味もありました。

いずれも、密接な人間関係が尊ばれた時代だからこそ、成り立っていた結婚式だといえるかもしれません。実際に、披露宴は新郎新婦のお披露目だけでなく、互いの上司同士、親族、ご近所同士が新たに出会い、交流が生まれるという意味合いも強かったのです。例えば、席次表にはゲストの肩書きを書きますが、これも交流を念頭に置いた習慣だといえます。

現在では、挙式をより重視する傾向に変わってきました。ふたりの人生の節目としてのセレモニーは、親族だけでなく、友人にも祝ってもらいたいとか、雰囲気をより重んじて、海外や国内のリゾート地で結婚式を挙げたいというように、挙式を中心に結婚式をプランニングするケースも増えているのです。

逆に披露宴は、心から招待したいゲストのみを呼びたい、身内や親しい人のみで行いたいという傾向になっています。既に形骸化していた仲人も、その先の付き合いもしなければならないし、不要だろうということでほとんど立てなくなりました。会社関係者や近所の人たちも、終身雇用制の崩壊して転職する割合が増え、都市部などで働き、実家を離れて暮らす人が増えるとともに、呼ばないケースが非常に多くなっています。