神前挙式の歴史
白無垢姿での神前式……実は戦後に広まって定着したスタイル |
明治時代に入って、欧米からキリスト教の結婚式が伝わってきました。神に誓いを立てるという厳かな意味合いを含み、司祭が立ち会って、式次第も決まったものがある挙式。それを知って、日本でもこういった挙式を作ろうじゃないか、ということで、神社や寺でも結婚式を打ち出すようになったそうです。そうするうちに大正天皇のご結婚式があったわけで、神社にとっては、神前式を定着させるためのいいPRになったというところですね。
それまでは、自宅で行う結婚式が普通。床の間のある広間や仏間などで、新郎新婦が三々九度の杯を、両家で親子固め、親族固めの杯を交わすというセレモニーを行っていました。時代劇などを見ると、ほとんどがこのスタイルの挙式ですよね。
花嫁は家を出て嫁ぎ先に向かい、到着して挙式を行ったというわけ。地域によっては、現在でも、この花嫁さんが自宅を出るときの儀式や、花嫁行列の風習が引き継がれているところもあります。
神前式が現在のように一般に定着したのは戦後。ホテルや結婚式場ができ、戦後の住宅事情などもあって、そういった外部施設を披露宴会場として利用するようになりました。そこに神殿が設けられたことで、披露宴だけでなく、挙式も同時に行うという形態が一気に広まったのでしょう。
現在はキリスト教式が圧倒的な人気を誇り、神前式は全体の15%程度。しかし、和のスタイルの人気で、ここ数年、じわじわとその数を増やしています。特に大人の花嫁に人気ですね。