披露宴の後半、お色直しから余興、送賓まで
披露宴で大切にしたいのは自分たちの披露とゲストとのコミュニケーションの時間
新郎新婦が入場し、ウェルカムスピーチ・新郎新婦紹介、主賓祝辞ときて、乾杯の後はいよいよパーティのスタートです。お料理やお酒が出されてゲストの雰囲気も和やかになり、いろいろな演出が行われていきます。
ゲストに楽しんでいただくためには、ここからが本番。まずは基本的な進行を把握して、そこから2人らしい披露宴にするためのアレンジをしていきましょう。
披露宴の流れ、一般的な形はコレ
▼前半 セレモニー部分1. 迎賓・新郎新婦入場
2. ウェルカムスピーチ・新郎新婦紹介
3. 主賓祝辞
4. ケーキカット
5. 乾杯
▼後半 宴の部分
6. お色直し中座
7. キャンドルサービスなどのテーブルラウンド
8. 来賓祝辞・余興など
9. 祝電披露
10. 手紙朗読・花束贈呈
11. 両家代表謝辞
12. 退場・送賓
※この記事では6~12について解説します。前半の1~5は「披露宴の前半の流れ:入場からケーキ入刀、乾杯まで」で詳しくご紹介します。
現在ごく一般的に使用されている披露宴の進行は上記のとおり。乾杯前の流れはお色直しの回数によっても変わってきますが、最近はウェディングドレスからカラードレスへの1回のチェンジが最も多いので、そのケースを例として挙げておきます。
6. お色直し中座:ゲストのお食事タイム
乾杯をし、最初のお料理が出てきたら「歓談」の時間を取って、しばらく食事に集中できるようにしましょう。その後、新郎新婦はお色直しのために中座します。新婦の準備はより時間がかかるので、新婦が先に退出し、新郎が後で退出することもありますし、一緒に退出することもあります。なお、新郎が1人になると、ここぞとばかりに友人や同僚などからお酒を飲まされる確率が高くなるので、あまりお酒に自信がない場合は新婦と一緒に中座してしまうのがおすすめです。お色直しの間は新郎新婦が不在になるので、ゲストのスピーチや余興などは基本的に避けます。逆に2人からゲストのために準備した演出は入れてOK。時間も有効に使えるので、プロフィールVTRの上映はこの間にすることが多いです。
7. キャンドルサービスなどのテーブルラウンド:ゲストとふれあう時間に
列席者が多かった1970年代に、全員に挨拶をして回れる演出として考案されたのがキャンドルサービス。間近で新郎新婦を見たいというゲストの希望も叶えられるので、この挨拶回りの考え方をベースにして様々な演出が考案されています。キャンドルサービスはもちろん、プチギフトを配る、2種類の液体を合わせると光を発する演出、各テーブル毎に記念撮影など商品ラインナップもいろいろです。実はこの場面、人数と演出内容によって時間配分がかなり変わります。例えば80名の披露宴で、10卓あるテーブルにキャンドルを点火して回るのと、80名のゲスト全員 にプチギフトを配って回るのでは、時間のかかり方に大きな違いが出ますよね。
披露宴の決まった時間の中で他のプログラムも行うわけですから、この時間配分は重要。全体的な時間の兼ね合いも頭に入れて何をするかを決めましょう。ゲストとなるべく多く話したい、きちんと挨拶したいということであれば、他の場面の時間をなしにしてこのテーブル回りに充ててもいいかもしれません。
また、キャンドルや発光演出などは光を見せることがポイントですが、会場の窓が大きくて暗くなりきらず、せっかくの光が見えにくいのでは本末転倒。せっかくなら効果がより高いものを選ぶのがいいですね。逆に、あまり目立ちたくない、アットホームな雰囲気で回りたいという場合は記念撮影のような全員参加型のものがおすすめです。
8. 来賓祝辞・余興など:デザートとともにゆったりと
ゲストからお祝いのスピーチや余興をいただく場面。目安としてスピーチは1人5分、余興は内容にもよりますが1組10分程度、新郎側も新婦側もそれぞれ1人 (1組)ずつで考えます。余興については、ある程度の内容は確認して会場にそれを伝えておきましょう。新郎新婦を驚かせたいと、サプライズで準備するゲストもいるので、その場合は会場の担当プランナーと直接連絡を取ってもらうなど、余興を引き受けてくれたゲストに気分よく披露してもらえるように手配することを心掛けましょう。
また、司会からのインタビューの形で一言スピーチをしてもらったり、デザートビュッフェにしてゲストとの交流の時間にしたりと、何かやってもらうのではなく、ゲストが楽しめるプログラムを新郎新婦が用意するのもいいでしょう。
プログラムの内容や時間配分によって、ここで何組のゲストに依頼できるかが変わってくるので、進行の内容を大まかに決めてから依頼しましょう。頼んでからやっぱりなしで、と断るのはとても失礼。そのため、招待状を送る段階で依頼をする方法もあるのですが、最近では出欠の確認が取れてからスピーチや余興の依頼をするようになっています。
9. 祝電披露:名前の読みや順番に気を配ろう
ここでは届いた祝電を披露します。祝電は当日到着することがほとんどなので会場に到着してから確認することになりますが、ヘアメイクの合間などに目を通すことができます。読み上げる順番と贈り主の社名や名前の読み方を確認し、司会者に伝えます。時間的に祝電の全文を読めるのは3~4通程度なので、たくさんいただいた場合は全文読むものと名前のみの披露にするものとに分けておきましょう。それでも読みきれない数の電報が届いている場合は歓談中などに随時読み上げることもできます。
10. 手紙朗読・花束贈呈:感動を誘うクライマックスシーン
感動を誘う、新婦の手紙朗読や新郎新婦から両親への花束贈呈。披露宴に欠かせない定番の場面です。実は親族などのゲストが最も期待している場面でもあります。また、普段なかなか伝えられない感謝の気持ちを、手紙や花束でしっかり伝えたいという新郎新婦も変わらず多いのです。手紙の朗読は新婦に限ったことではありません。新郎新婦ともに実家を巣立って家庭を築くというのは新郎も同じ。新郎からも手紙を書いて読み上げる、というのもいいでしょう。男性が「生んでくれてありがとう」というメッセージを伝える様子には感動を覚えます。
花束贈呈の場面では、自分の親に渡すか相手の親に渡すか、どちらでもOKです。自分の親に渡す場合は「今までありがとうございました」という気持ち、相手の親に渡す場合は「これからよろしくお願いします」という気持ちを込めるという意味になります。
また、渡すものも花束に限らず、いろいろな記念品が出ています。生まれたときと同じ重さのぬいぐるみ、家族の写真を集めたアルバム、似顔絵のような記念パネルなど、親御さんがずっと手元に置いておけるものに気持ちを託すのもいいでしょう。旅行券や記念の年のワイン、身の回りの品物などをプレゼントしてもいいでしょう。
11. 両家代表謝辞:感謝の気持ちをしっかり伝えよう
披露宴のラストとなる両家のお礼の挨拶が謝辞の場面も欠かせません。その反面、謝辞は誰がやるべきか、という疑問も多い場面です。両家「代表」謝辞というくらいですから、最低限、両家の代表1名がお礼の挨拶をすればいいわけで、基本的には招待状の差出人の代表が行います。女性はあまり挨拶には立たないので、親の名前で出した場合は新郎または新婦の父、 本人の名前で出した場合は新郎です。新郎新婦も自分たちの口から挨拶をしたい、そして両家両親もゲストに対して挨拶をしたいと双方に希望があって、両方から挨拶するというのも一般的になっています。新郎新婦は新郎が挨拶するだけでいいと思っていたけれど、実は結婚が決まってすぐに新郎のお父さまが挨拶の内容を考え始めていたという話もよく聞きます。誰が挨拶するのかは、両家で先に話し合っておきましょう。
12. 送賓:笑顔でお見送りを
ゲストを両家でお見送りするのが送賓(そうひん)です。迎賓と違い、こちらはほぼ必ず行われます。プチギフトを配ることが多くなっていますが、披露宴のテーブル回りの時に配ったり、テーブルに装飾の一環として置いたりすることもありますので、そういう演出を行う場合はまた送賓時に配る必要はありません。「いい結婚式だった」と言ってもらえる極意とは?
せっかく来てもらうのだから列席してよかった!と思ってもらいたい
時間の「ゆとり」を設けることで、ゲストがリラックスした雰囲気になり、より和やかな披露宴になります。そのためには適度な「間(ま)」が必要なのです。次から次へと何かのイベントが行われると、息つく暇もなくなってしまいますので、「歓談」と呼ばれるお食事&おしゃべりタイムを適度に設けられるような構成にしましょう。
「間(ま)」を取るためには、プログラムの緩急も大切。どの場面を披露宴のメインにするのかを事前に2人で話し合っておいてください。テーブル回りでインパクトのある演出を行いたいのか、友人からの祝辞や余興をたくさん入れたいのか、はたまた、デザートタイムを充実させるのか。メインにすることを決めておけば、時間調整をする際にどちらを優先すべきかすぐに答えが出るというわけです。
進行の時間配分はドレスチェンジの回数によっても変わりますから、担当のプランナーに確認しておきましょう。披露宴の基本的な流れを頭に入れた上で、2人で内容を考えてみてくださいね。
【関連記事】