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できちゃった結婚をちょっとまじめに考えてみる 結婚が先か、妊娠が先か(2ページ目)

いまではすっかり世の中に定着した「できちゃった結婚」。この言い方は品がないと、最近は「おめでた婚」といわれるようです。できちゃった結婚について考えてみました。

粂 美奈子

執筆者:粂 美奈子

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20代後半以降はできたら婚?

一方、20代後半以降のできちゃった結婚の傾向をみてみると、数はそれほど多くはないものの、やはり20年の間で増加傾向にあります。ちなみに、できちゃった結婚(結婚期間よりも妊娠期間のほうが長い)で産まれた子供が第一子に占める割合は2009年で25~29歳が24.6%、30~34歳が12.1%となっています。

20代後半以降でできちゃった結婚をした人に話を聞いてみると、相手とは結婚を意識しており、「子供ができたら結婚しようね」と話し合っていた、というケースがけっこう多いのです。20代前半のできちゃった結婚が、どちらかというと結婚は意識の外にあり、妊娠して初めて結婚を考えるというパターンだったのに対し、20代後半以降のできちゃった結婚には妊娠する前にすでに結婚という意識がほのかにあった、というパターンが往々にして見られるのです。つまり、20代後半以降のできちゃった婚は、できたら婚というふうに言い替えられるのかもしれません。

妊娠をステップに結婚に踏み切る

結婚が先か、妊娠が先か
結婚はしたいようなしたくないような……
20代前半までと20代後半以降のできちゃった婚は結婚に至るまでの経緯や気持ちのありようがやや異なるようですが、共通しているのは結婚の動機が妊娠・子供ということです。つまり、結婚しようという気持ちの前に、妊娠がきてしまっているということ。とくに、20代後半以降のできちゃった結婚は、妊娠を結婚の動機付けとしている傾向があり、これは妊娠しなければ(子供がいなければ)結婚しなくてもいいと考えている、ととらえることができるのではないでしょうか。

昨今の婚活ブームを引き合いに出すまでもなく、結婚したいけれどできないという人は相変わらず多いようです。内閣府の調査でも、20~30代の未婚の女性では「いずれ結婚するつもり」と考える人は9割を超えるという結果が出ています。(内閣府政策統括官 平成22年度「結婚・家族形成に関する調査報告書」より)

とはいうものの、実際には結婚に対して魅力やメリットをそれほど強く感じられず、それゆえずるずると結婚を先延ばしにしている人も多いような気もします。この傾向は30代になるとより強くなる傾向にあるのではないでしょうか。

いずれは結婚はしたい(しなくてはならない)、いま付き合っている人とは気も合うし、結婚してもいいのかなと思う。でも、結婚すれば自分の自由になる時間もお金も減ってしまう、親戚が増えて人間関係も複雑になる。もしかしたら、もっと素敵な人が現れるかも……。などと結婚のメリットよりもデメリットのほうが数多く浮かんできてしまい、なかなか結婚に踏み切れないという人が多いようです。

そんなふたりの背中を後押しするのが妊娠というわけです。子供ができれば、いつまでもぐすぐず言っているわけにはいきません。ふたりで体制を整え(=結婚)、新しい生命を待とうということになり、結果としてできちゃった結婚に相成るわけです。

でも、子供がいなければ結婚する必要がない、というのではちょっと寂しい気がしませんか。夫婦で力を合わせて子供を育てていくのは、確かに結婚生活の大きな部分を占めるのでしょう。でも、決してそれだけではないはず。できちゃった結婚の場合、出産が間近に迫っているため、結婚することについてじっくりと考える時間がないことが多いよう。しかしながら、できちゃった結婚だからこそ、一緒に暮らし、ともに人生を歩んでいくことの意味を、妊娠ということを抜きにして、ふたりでじっくりと向き合って考えてみることが必要ではないかと思います。

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