ヨーロッパの結婚式・披露宴には欠かせないプチギフト、ドラジェとは
ドラジェはアーモンドをパステルカラーの砂糖ペーストで包んだもの
ドラジェとはアーモンドに砂糖ペーストをコーティングしたお菓子のこと。たくさんの実をつけるアーモンドは子孫繁栄の象徴とされ、ヨーロッパでは古くから結婚式や誕生日などのお祝いごとには欠かせないものとされてきたのです。
発祥はイタリアとされますが、ドラジェはフランス語。ちなみに、イタリア語ではコンフェッティ、英語ではシュガーアーモンドといいます。
映画『ゴッドファーザー』にも、ドラジェを配るシーンが登場します。といっても、冒頭のコルレオーネの長女の結婚式ではなく、アルパチーノ扮するマイケルの結婚式シーン。敵のボスと悪徳警官を射殺したマイケルは故郷・シシリーへ逃亡。そこで、アボロニアに一目惚れし、結婚式を挙げます。その時にアポロニアがカゴに入ったドラジェを銀のスプーンですくってゲストに配って回るのです。
ドラジェを渡すタイミングや注意点は?
ドラジェはチュールなどにくるんで渡すのがポピュラー。かつては披露宴のお開きの際に、花嫁が自分のベールを切って、ドラジェを包んだという話もあります。包む数は、イタリアでは5粒が好まれるよう。というのも、5という数は「幸福」「健康」「子孫繁栄」「長寿」「富」を表わすから。もちろん、決まりはありませんから、何粒包んでもOKです。
渡すタイミングとしては、お色直し後の再入場の時に各テーブルを回って手渡しする、というのが多いようです。ただ招待客数が多い場合、一人ひとりに配っていると膨大な時間がかかってしまいますので、各テーブルの代表者1名に手渡すなどの工夫が必要です。渡すのは新婦で、新郎はドラジェの入ったカゴを持つなど、サポートに回りましょう。
また、渡すときの仕草にも気をつけて。片手で持って差し出すのはなんだか粗野な印象に。片手で持ったら、もう一方の手を添えるようにして、笑顔とともに渡しましょう。ゲストが着席している場合は、新婦は自分のひざを折って、相手の顔と自分の顔の位置がほぼ同じくらいになるようにして渡すと、より丁寧な印象になります。
このほか、お見送りの際にお渡ししても。これなら一人ひとりに渡せるし、新居の住所を書いたサンキューカードを添えてもよいです。
プチギフト用のドラジェはどこで用意する?
ドラジェはホテルや結婚式場などでも用意してくれますし、ケーキショップなどでも扱っているところが増えてきています。また、ネットで通信販売するところも。もともとのドラジェはアーモンドに砂糖コーディングしただけで意外に固いものですが、日本ではチョコーレートをコーディングした後、砂糖をコーティングし、食べやすくしているところが多いようです。
3~5粒くらいで美しくラッピングしたものからバラ売りまでさまざま。バラ売りを買い求めて、自分たちのオリジナリティを出してラッピングしても。サムシング・ブルーにちなんで、ブルーのチュールやリボンをあしらうのもいいでしよう。
手作り派はドラジェを一から手作りしてもいいかも。グラニュー糖を水に溶かし、好みの食用色素を加えて作った砂糖液に、空煎りしたアーモンドをくぐらせるだけなので、比較的簡単にできます。
見た目が愛らしく、食べてもスイートなドラジェ。上手に利用して、披露宴を素敵に演出してみてはいかがでしょうか。
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