沖縄特産の泡盛! 琉球泡盛の歴史と製造技術
ご存知、沖縄特産の焼酎といえば、なんといっても、琉球泡盛。その歴史は、14世紀、アユタヤ文明最盛のシャム王国(現在のタイ)と交流があった琉球王国が、現地の王室御用達の蒸留酒「ラオ・ロン」製造の技術を琉球にもたらしたところから始まる。熱帯地方のシャムでは、仕込みの際には雑菌に強い黒麹を使用していた。ゆえに、泡盛の定義は、今でも、タイ米(砕米)を使い、黒麹で仕込むことが条件となっている。
琉球での泡盛造りが安定した江戸期には、中国や大和の国(本土)にも献上されるほど、高品質であった。とくに熟成をかさねた「古酒(クースー)」(現在は3年以上熟成の規定がある)は、熟成年数が長ければ長いほどその芳醇な味わいに更なる深みが増し、より希少価値の高いものとなった。首里王室御用達の泡盛は、「首里三箇」の酒造場のみで司法にもかなりの制限があったという厳しさ。泡盛の品質と伝統の製造技術は、その頃から脈々と今に引き継がれている。
蒸留酒だけど不思議とミネラル風味たっぷりで、まるで海からの潮風のような独特の風味をもつ琉球泡盛は、日本全国どこで飲んでも、いつも必ず沖縄の風を感じさせてくれる。でもやっぱり、沖縄現地に行って飲むのが一番おいしいね。
お勧め5種を説明しよう。
おすすめ泡盛5位:菊之露 VIP ゴールド
庭の菊の花びらにたまった朝露を集め、母親に飲ませたところ病気が治ったという逸話から名づけられた「菊之露」は、健康の酒、長寿の酒としても知られている。人気は、8年熟成の古酒(クースー)をベースにブレンドした「VIPゴールド」。一見フランスのアルマニャックのような高級感あるボトルが目を惹く。味わいも、アルコール30度とは思えない丸みのある舌触りとふくよかな旨味が印象的で、全体に品格を感じさせるバランスのいい仕上がりが大きな魅力だ。オンザロックや水割りで。
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720ml 2,000円前後
■菊之露酒造株式会社
住所:沖縄県宮古島市平良字西里290
電話:0980-72-2669
おすすめ泡盛4位:久米島の久米仙
沖縄本島の西に位置する、久米島の名蔵。昭和24年創業。久米島生まれの「久米島の久米仙」は泡盛通が愛するロングセラー銘柄だ。自然豊かな環境で造られる蒸留酒はまさに純粋無添加で「ピュア」という言葉がぴったり。まろみのある味わいの名水“堂井(ドーガー)の湧清水”と南方硬質米を、人の手で限りなく自然に近い状態で仕込む。この堂井(ドーガー)には、その昔、夕暮れになるとどこからともなく絶世の美女が現れ、仕事帰りの若者たちに酒をふるまった逸話がある。村の人々は、これは山に住む仙人の仕業に違いないと噂しあったその「久米の仙人」から名づけられたのがこのインパクトのあるブランド名。
このランキングでは、泡盛らしいカラフルなラベルの600mlスタンダード商品を紹介。すっきりと飽きの来ないドライな口当たりと後味に残る軽いミネラル風味が後を引く。シークヮサーをしぼっても良し。
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600ml 829円
■株式会社久米島の久米仙
住所:沖縄県島尻郡久米島町字宇江城2157番地
電話:098-985-2276
おすすめ泡盛3位:瑞泉 御酒(うさき)
沖縄は日本で唯一かの大戦において地上戦があった場所。泡盛も壊滅的な被害を受けた。代々受け継がれてきた「黒麹」もその際になくなったとされていたが、戦前の「瑞泉菌」の標本が東京大学に残っており、生き続けていることが1998年にわかった。その不死鳥のような瑞泉黒麹菌をもとに造られたのがこの「御酒(うさき)」。まさに、戦前の泡盛の復活となった酒なのだ。
瑞泉酒造は明治20年(1887年)創業だが、琉球王朝時代に、「首里三箇」と呼ばれる王室管理の城下町にて泡盛の醸造を許可されていた蔵。首里城内の湧き出る泉から「瑞泉」と名乗る。「御酒」は、華やかでクリアな香りと非常になめらかな舌触りが特徴。ミネラル分を含んだ柔らかいコクが魅力的。できるならストレートで、戦前の幻の泡盛の風情を感じながら味わいたい。
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720ml 30度 2,570円
■瑞泉酒造株式会社
住所:沖縄県那覇市首里崎山町1-35
電話:098-884-1968
→次ページで「第2位」と「第1位」を発表!番外編もあるよ。