日本酒/酒造、酒蔵訪問

奈良の名酒「春鹿」を訪ねる1

真夏のさなか、奈良の名酒蔵「春鹿」を訪ねた。隣接する重要文化財「今西書院」や敷地内にあるおすすめのお蕎麦屋さん「玄」もあわせてご紹介する2回シリーズだ。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

お神酒つくりの蔵としては最古の蔵

7月後半、真夏の真っ盛りに奈良に出向いた。目的は「春鹿」を造る、「株式会社今西清兵衛商店」を訪ねること。真夏の日差しの中、天然記念物のご存知鹿たちも、ぎらぎら太陽の元、春鹿ならぬ夏鹿になって私を迎えてくれた。


趣のある春鹿蔵元、正面。



この日は春鹿ならぬ真夏鹿であった。
「春鹿」銘柄を造る今西家は、春日大社の神官として神々に供える酒を醸してきた歴史ある家。明治政府発令の神佛分離令により神官を辞職し、日本酒発祥の地で明治17年より酒造業を始めた。

酒名はまず、春日大社に仕えていたことと、春日の神々が鹿に乗ってやってきたという伝説から、「春日神鹿」(かすがしんろく)と名付けられ、のちに「春鹿」(はるしか)に改められたという。

現在も3月13日には日本3大勅祭である春日大社『春日祭』に供御(くご)される白貴(しろき)は、
この今西家が春日大社の酒蔵『酒殿』に出張し、ご奉仕されているのだとか。
お神酒つくりの蔵としては、日本で最も古い蔵になるだろう。
ちなみに蔵見学のあと春日大社に行き、酒造りの場所を見せてくださいとお願いしたが、
お断りされた(←当たり前)。


温かみのあるこの看板が、私たちを迎えてくれる。



入り口をはいるとショップになっている。



夏はお酒つくりは休み。きれいに磨かれた大きなタンクの上には橋が渡してあり、行き来できるようになっている。



新型の機械導入にも意欲的。平成3年に取り入れた自動製麹機。一気に1000kgが出来る。ちなみに普通は400g程度。全国に50台しかないそうだ。



夏は奈良漬つくりの季節。ここは奈良。まさに奈良漬の本場だ。


この時期のおすすめは、絶対、ひやおろし!





秋におすすめなのは「ひやおろし」。


今年リニューアルした「ひやおろし」は、純米吟醸生詰め酒として発売される。
720ml 1,365円(税込)。1800ml 2,730円(税込)。

9月上旬より発売されるが、10月11月と少しづつ熟成していく。
生なので、購入後は冷蔵庫で保存したい。




酒造りとしては5代目にあたる今西清隆社長。



「春鹿」オンラインショップはこちら。
【編集部おすすめの購入サイト】
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