日本酒/おいしい日本酒が飲める店

奇跡のマリアージュ体験「古酒Bar酒茶論」

やっと行ってきました。品川の古酒の専門店『古酒Bar 酒茶論』。驚くべきマリアージュを体験したぞ。いや、まじで。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド


青いライトがちょっぴり目立つ。
行きたい行きたいと思いながらなかなか行けなかった品川の古酒専門Bar『酒茶論』(Shu Sa Ron)に行ってきた。 品川のウイング高輪の2階。青いライティングが目立つかわいいお店だ。

扉を開けると琥珀色に輝く古酒のボトルが壁にディスプレーされている。ん、雑誌などで見るとおりじゃのお。・・・と、我々は食事前の時間に入ってしまったが、うう~ん、大丈夫だろうか。古酒と言えば食後じゃないかい・・・。 すると、お店の方が親切にメニューを説明してくれはじめた。


グラス3杯の飲み比べセットが5種類



古酒の魅力はなんてったって美しい色だ。ボトルだけで素敵なインテリア。
なんでも3年ものから34年ものの古酒が60種類(だったかな)以上も揃っているのだとか。さらに、冷蔵で熟成したものや常温で熟成したもの、変り種などがあることや、また古酒に合うおつまみを揃えていることを教えてくれる。親切でわかりやすいが、大変お品がよろしく、「え?」「はい?」と思わず聞き返してしまうくらいお声がお小さい。古酒は品よく静かにやらねばならないのであるな。

食事前の食前酒という感じの私たちだけど、ひとまずあれこれ試せる【セットA】1,260円を注文した。3種類の違う古酒がついてくる。
セットはこの他に【セットB】1,680円、2005年と1975年が飲み比べできる【セットC】1,260円、ひとつの蔵の本醸造、純米、純米大吟醸飲み比べの【セットD】1,890円、5年もの、10年もの、1972年もの飲み比べ【セットE】2,940円などがある。

【セットA】の内訳は、「天寿 古酒 大吟醸 3年もの」(秋田)、「誉麒麟 生もと本醸造 1998年もの」(新潟)、「東光 生もと本醸造 1989年もの」(山形)の3種類。(ちなみにそれぞれ60ccで998円、630円、893円)

古くなればなるほど琥珀色になっている。うう~ん、きれい。古酒の楽しみは色にもある。
「天寿」はまろやかでやや軽め、「誉麒麟」はやや紹興酒的で後味に心地いい苦味、「東光」は香りは控えめだけど味わいにしっかりとコクがあり蜂蜜のようなねっとり感が楽しめる。
食前で胃が空っぽ状態だったけど、意外に美味しく飲めるじゃないか。


マリアージュなんて言葉を使いたくないんだけど・・・。



グラス3杯のセットAと豆腐の味噌漬が素晴ら しいマリアージュ。
で、でだ。もっと驚きだったのは、おつまみとの相性だった。
最近、身体の錆をとるために必要な「ミラクル・エンザイム(=酵素)」に凝っているアタクシは(詳しくはミラクル・エンザイムで調べてね。なにせこのサイトは日本酒・焼酎サイトなもんで)、日本人が昔ながらに食べていた発酵食品である味噌や豆食品のお豆腐でできているものをできるだけ摂るようにしているのだが、まさにそれにピッタリのおつまみを発見した。

それは《豆腐の味噌漬》630円。とくにここのは熊本で造られている珍しいものなのだとか。柔らかめのロックフォールチーズのようだけど、もろ味噌と凝縮した豆腐の旨味がお漬物的で、ちょっと懐かしい味わいだ。


官能をくすぐるマリアージュが体験できる
これをちょっとなめて、【東光 1989年】を口に含むと、おや~、な、なんと、ラムチョコレートのようなふんわり甘い、いや蜂蜜のようにとろり華やかな、いやもうなんともいえない艶とコクとフレーヴァーが口の中と鼻腔をぶわぶわぶわっとくすぐる。
むは~、これです、これ。これがいわゆる「お酒とおつまみのマリアージュ」というものです。

私は10数年ワインの仕事をしてきたが、正直、「マリアージュ」というのはフランス人の感覚であって、日本人にはわからんものだと考えてきた。いや、もちろん、ソーテルヌとフォワグラや、ソーテルヌとロックフォールをいただいたとき、おやっ、何か違う味が生まれる・・・と感じたことはある。業務上、いろいろ経験はありますですよ。でも、それはきわめて珍しい経験であり、普段の日本人の食卓ではマリアージュなんて、そうは感じられるものではないと思っていた。最近特に。
なので、マリアージュなんて気にしないで、昔の日本人のように塩をなめてお酒を飲む、みたいな、お酒を美味しくするおつまみのあり方を考えていいじゃないかと感じていた。


こんな風にわかりやすくメニューに掲載されている。
それなのに、ああ、それなのに。
この古酒と豆腐の味噌漬、素晴らしいマリアージュじゃあありませんかーっ。これをマリアージュといわずしてなんという。
それもセット1,260円と豆腐味噌漬630円ですよ。うれしいじゃないか、この価格。
これは絶対お試しあれだ。

ちなみに「天寿」はパイナップルのような爽やかな風味と旨味を持つパルミジアーノ・レッジャーノとピッタリきた。

今回はこれだけの経験だったけど、この他、バクライやしょい豆(醤油豆のこと)、フグの子粕漬け、穴子の一夜干しなど各県の珍味類が600円や800円程度で豊富にそろっているし、いろいろ試せそうなチーズ盛り合わせ1,155円もある。小腹がすいたときにはふくそば873円が。スイーツ派にはゴマ団子と紫芋スティックバニラアイス添え840円などというのもある。古酒は上品な甘さがあるからスイーツとも相性がいいだろう。

むむむむ、これなら食前でも食中でも食後でも十分に堪能できそうだ。次回はフルコースで行ってみようと思った。やはり、これから「日本酒古酒」は侮れませんぞ。



■古酒Bar「酒茶論 Shu Sa Ron」  03-5449-4455 
  東京都港区高輪4-10-18 ウイング高輪2F 

 ◆「酒茶論」の詳細は、公式サイト「古酒NAVI」へどうぞ。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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