日本人は無類の鍋好き。空気がピンと張りつめるこの季節になると、そろそろ鍋もいいよね。そんな会話を楽しむかたも多いはず。かくいう私もそのひとり。実家では、幼少の頃から、この時期は3日に一度は鍋料理が食卓を賑わし、家族でつつくのが常だったこともあり、鍋には一家言あるワタクシ。この季節は鍋を堪能する日々である。
そのためか、各国でもアンテナを伸ばし、常に鍋料理をチェック。すると、あるわあるわ、おぉ!と興味をそそられる鍋たちが。
そこで、ここではそんな鍋料理を少しずつご紹介します。前回は
タイ東北地方の「チムチュム」に注目しましたが、今回もまた、まだあまり知られていないけれど、かなりの実力派。最近日本でもちらほらと見かけるようになった、この冬注目したい鍋を取り上げたいと思います。
ターメリックの衣をまとった魚とハーブの油鍋
今回は、ベトナムから
「チャーカー」という名の鍋をご紹介。
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たっぷりのハーブにカリカリとしたピーナツの食感がアクセントに。ハノイの名物鍋「チャーカー」チャーカーは、ベトナムはハノイの名物鍋。七輪の上に油をたっぷりいれた小さなフライパンをのせて、その中にターメリック(ウコン)などで下味をつけた雷魚などの白身魚を炒める。いや、煮るといったほうが適切な表現かな。
そこに、青葱やディルなどのハーブ、ピーナツをたっぷりといれ、お椀にもったブン(断面が丸い米麺)にのせて、タレをかけてするするっと。
チャーカーは、実際には鍋といえるのかわからないが、ひとことでいうならば、ハーブ油鍋とでもいえようか。
正直言うと、私は最初、油がたっぷりの鍋って、なんだか口のなかが油でベトベトしそうでどうも……と、食指が動かなかった。