駅から近い穴場中の穴場店清潔感のある明るい店内には、笑顔の素敵な明るいスタッフが扉を開けると、すっきりとまとめられたトルコスタイルの店内。過度な装飾はなく、センスよくトルコのタイルやランプが飾られ、品がある。階段下の賑やかな雰囲気とは一変して、開放的で寛げる空間だ。駅から近いのに、広尾の雰囲気にも迎合した落ち着きもあって、なんだかいい隠れ家を発見したかも。そんな嬉しい気持ちにさせられた。アルテミスは、数ヶ月前まで原宿でトルコレストランを経営していたアグン セイハン氏が店を閉め、満を持してオープンした店。地中海とエーゲ海と地中海が見渡せる港。店のコンセプトは、ずばり、魚料理を充実させた店である。店名はアグンさんの故郷であるエーゲ海沿岸の街、イズミル近くのアルテミス神殿からとり、“海”の印象を色濃いものにしたようだ。ひと手間かけた素材の調理に料理人の腕が光るシェフがあまりにも食欲をそそられる雰囲気をもっておられたので、思わずパシャリ。料理人は、イズミルの名高いホテルで腕をふるったあと、キプロス島や地中海沿岸地域のレストランで修業。魚料理に関しては絶対的な自信をもち、この店の調理に望む、見ためが実においしそうな?男性。優しさにあふれた笑顔とともに、ひと目見ただけで料理の美味しさをも増す。そんな雰囲気を持っている。その料理人が手がけた魚料理をいただくと、なるほど、さすがこだわっているだけあるなぁ……と納得してしまうものばかり。「ハムシ サラムラ」は身が驚くほどふっくらとしていて食べ応えも満点。なにしろ、まず素材がいい。聞けば、魚介類は毎日築地から新鮮なものを仕入れているのだというが、それに加えて、火の通し具合や酢の加減も抜群だ。とくに「ハムシ サラムラ(いわしのマリネ)」の酢の締め加減のウマさには悶絶してしまったほどだ。聞けば、「ハムシ サラムラ」は、まず酢と塩で締め、そのあとクミンなどのスパイスをきかせたスペシャルソースで漬け込むそうだが、料理が仕上がるまでは、じつに1週間という時間を要するのだという。ふむふむ、確かにそれだけの味がするものねぇ……。なるほど、納得。しかもボリュームがたっぷりなのにお値段は800円。かなり得した気分になってしまった。前のページへ1234次のページへ