トルコ料理/おすすめトルコ料理店

トルコ宮廷料理「ブルガズアダ」…麻布十番(2ページ目)

オスマン帝国時代の食文化をそのまま受け継ぐ、世界でも希少なレストラン。贅をつくした料理の数々は栄華を極めた大帝国の実力がうかがえる。

佐藤 わか子

執筆者:佐藤 わか子

世界のおうちご飯ガイド

東西の食を自在に表現するスパイスのマジシャン

粗くきざんだ牛フィレと鶏もも肉を牛フィレで包み、グリルしたスペシャル料理。2種類の肉を組み合わせるのはオスマン帝国のお得意技。メフメット氏が仕上げる皿のなかには、哲学があるように感じられる。というのも、料理法にしても、料理名にしても、想像力を刺激される何かがあるのだ。このレストランのマネージャーであり、メフメット氏の奥様でもある裕子さんは、彼のことを“スパイスのマジシャン”だと表現されていたのだが、まさにそのとおり。

スパイスやハーブを多用しているにもかかわらず、後口にはそれらを強く感じないのだ。スパイスやハーブはあくまでも軽やかに。しかし、素材の味は力強く。そして、旨みだけが余韻として残る。

シンプルな中にもシェフのセンスが光るデザートの盛り合わせ。写真上はザクロシロップのフルーツカクテル。写真下はハレムのアイスクリームなど。メインにしても、つけあわせひとつにしても、とにかく手間と時間をかけ、ひと皿のなかに酸味、甘味、辛味、苦味、塩味などさまざまな味が表現されているのも印象的だ。
これも東西文化の交差路である、トルコならではの味だといえるであろう。

よく考えてみれば、それも当然のことなのかもしれない。オスマン帝国時代の皇帝は、毎食40皿もの料理を並べたというのだから、料理人は味や見ために変化をつけなければいけないし、印象に残るものにもしなくてはならない。かといって、油っぽさを前面にだしてもだめ。それはどんなにこってりとした料理でもね。飽きずに食べられるようにするには、やはり後口が軽やかでなくてはならなかったのではないだろうか。
ビーフ
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