冷めてもおいしいから持ち運びにも便利
ほぼボーザと同じ餡を小麦粉の皮に包み、平たくして揚げたのが「ホーショール」。こちらもボーザと並び人気のある国民的食べものだ。
|
手のひらサイズの平たい揚げ餃子。かなり食べ応えがあるのだが、おいしいのでつい手が伸びてしまう。草原はもとより、都心部の家庭や食堂でもファーストフード的な存在で親しまれている。冷めても食べやすいこともあり、お弁当代わりに持ち運ぶことも。草原では1度にたくさん作り、テーブルに置いていつでもつまめるようにしてあった。
ちなみに、モンゴルの草原では基本的に食事は1日2回。朝はミルクティー、チーズ、揚げ菓子などを食べ、夜はこれに小麦粉料理が加わる。昼間は朝ごはんに食べたものがテーブルに常に置かれているので、食べたいときにつまむといったスタイル。
この他にも、水餃子(バンシ)、うどん(ゴリルテイシュル)、焼きうどん(ツァイウォン)などの小麦粉料理があるが、味つけはたいていどれも塩のみといったシンプルさ。
調味に余計なものは加えない。この調理術は、まさにモンゴルのシンプルライフそのものを物語っているようである。
が、そんなモンゴルの食生活もボーザ(蒸し餃子)にケチャップをつけて食べることに象徴されるように、時代とともに少しずつ変化しているとか。特に1992年、モンゴルが社会主義国から民主主義国へと変わったことで、加速度的に便利なものが取りいれられるようになったことで、食生活も変化してきたようだ。これは決して悪いことではないけれど、少しの間彼らと生活をともにし、その様を目の当たりすると、それとともに料理の味が単一化されてしまうのでは・・・と、少し寂しい気持ちにもなった。日本に住んでいる私がこんなことを言うのはどうかと思うのだが・・・。
次はモンゴルでは珍しい魚料理のご紹介